「Happy Bike」

「バイクに乗る」ということは
趣味や遊びではなく生き方である

社会人になって余裕が出来た私は、中型免許を取得し、バイクを購入した。
そもそもバイクに興味を感じたのは学生時代、
何年も放置されていたバイクを、持ち主である友人と一緒に修理したことから始まる。
まず車体をバラし、使えそうなパーツを磨いたり、メーカーのパーツセンターに
買い揃えにいったりして、数ヶ月の時間を経て修復した。
そして無事組みあがり、エンジンに火が入った瞬間!
あのときの感動は、今でも忘れられない。

その後、知り合いから廃棄寸前の50ccのRGガンマを譲り受け
再生させるべくパーツを磨いたりキャブを開けたり。
どうにか乗れるようになる頃にはバイクいじりの楽しさを知り、
そして原付ながらもバイクに乗るようになった。

やがて社会人になり中型に乗りはじめた。
働いていれば当然のごとく、ある程度の自由は奪われる。
学生の頃のように好きなときに好きな場所に行くことも出来なければ、
好きなことに時間を忘れて没頭することも出来ない。
それは『勤め人』になると決めたときから覚悟していたことであった。
しかし、ときにはそんな枠組から逸脱してみたくなるものである。
好きなときに好きなところに行き、好きなことをする。
そんなささやかな企みをバイクは叶えてくれる。
そして少しだけ、学生の頃に感じた自由を味わうことが出来る。
その時間はほんの一瞬ですぐにまた日常に飲み込まれてしまうが、
わたしにはかけがえのない自分を取り戻すための大事な時間である。

わたしにとって
「バイクに乗る」ということは生き方である。

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