副咽頭間隙(ふくいんとうかんげき=副咽頭腔)の説明図 のどの構造と機能にもどる
咽頭の上の方の高さで(2番目の図の横線の高さ)の断面のイラスト図です。耳下腺(下図@)と咽頭(下図C)のちょうど真ん中のスペースが副咽頭間隙です。図のようにここには重要な神経や血管が数多く通っており、リンパ節も多く、これらのすきまは脂肪と結合組織で満たされています。このスペースは頭蓋底(ずがいてい=頭蓋を構成している骨の最も下の部分)から舌骨(ぜっこつ=舌の付け根のやや下方に存在する骨)の高さに存在します。この部位での主な病気としては副咽頭間隙膿瘍(のうよう)と副咽頭腫瘍(説明はここをクリック)があります。膿瘍とは、強い炎症によってその場所に膿(うみ)を多量にため込んだ状態をいい、急性の咽頭炎や扁桃周囲膿瘍(のどのQ&A Q18 へんとうしゅういのうよう)などに加えて、虫歯や歯槽膿漏(しそうのうろう)などの歯科的疾患など、副咽頭の周辺組織の強い炎症から2次的に発生するものが多いです。比較的まれな病気ですが、ひとたび発生すると気道(呼吸する時の空気の通り道)閉塞や炎症が全身に回って危険な状態になりうる病気で、強力な抗生物質の点滴のみならず、外科的な治療を必要とすることがしばしばあります。


| 名称 | 読み方 | ||
| @ | 耳下腺 | じかせん | おたふくの時腫れるところ。唾液を分泌している。 |
| A | 後下顎静脈 | こうかがくじょうみゃく | 下顎の後方、耳下腺内を走り、顔面静脈とつながる。 |
| B | 外頚動脈 | がいけいどうみゃく | Fとともに頚部最大の動脈(総頚動脈)から分枝した動脈。 |
| C | 茎状突起 | けいじょうとっき | 頭蓋を形成している骨のでっぱり。 |
| D | 乳様突起 | にゅうようとっき | 耳たぶの後ろの硬い骨のふくらみ。 |
| E | 顎二腹筋 | がくにふくきん | 顎下腺周囲の筋肉の1つ。 |
| F | 内頚静脈 | ないけいじょうみゃく | 脳、顔面、首からの静脈からつながる頚部で最大の静脈。 |
| G | 副神経 | ふくしんけい | 切断すると上腕が動かしにくくなる。 |
| H | 迷走神経 | めいそうしんけい | 切断すると声がれや飲み込みがしにくくなる。 |
| I | 交感神経幹 | こうかんしんけいかん | 自律神経の束。切断すると目が開きにくくなったり眼球がへこんでくる。 |
| J | 椎前筋膜 | ついぜんきんまく | 背骨の前にある筋肉を包む筋膜。 |
| K | 頬咽頭筋膜 | きょういんとうきんまく | 咽頭の筋肉をおおう筋膜。 |
| L | 内頚動脈 | ないけいどうみゃく | Bとともに頚部最大の動脈(総頚動脈)から分枝した動脈。 |
| M | 舌下神経 | ぜっかしんけい | 切断すると舌の動きをコントロールしにくくなる。 |
| N | 舌咽神経 | ぜついんしんけい | 切断しても運動障害は少ない。咽頭粘膜の知覚、耳下腺の分泌や味覚にも関与。 |
| A | 茎突前隙 | けいとつぜんげき | 副咽頭間隙の斜め前半分。 |
| B | 茎突後隙 | けいとつこうげき | 副咽頭間隙の茎突前隙の残り。重要な神経、血管が集中。 |
| C | 咽頭(腔) | いんとう(くう) | のどの構造と機能参照 |
| D | 副鼻腔(上顎洞) | ふくびくう(じょがくどう) | 鼻の構造と機能参照 |
| E | 鼻腔 | びくう | 鼻の構造と機能参照 |