悪性リンパ腫について よくあるQ&A くび・顔面・その他 に戻る
リンパ球という身体の免疫に関係する細胞の系統に類する細胞からなる悪性腫瘍です。リンパ系臓器 [ リンパ節、脾臓(ひぞう)、扁桃腺 ] はもちろん、それ以外の臓器(消化管、甲状腺、乳腺、肝臓、皮膚など)からも発生します。悪性リンパ腫はタイプが細かく分類されており、それぞれ悪性度が異なります。耳鼻咽喉科領域、特にのど(上咽頭、中咽頭)はリンパ組織が豊富なため、悪性リンパ腫の発生しやすい場所の1つです。早期に発見された場合、予後もよいことが多いですが、短期間に全身のリンパ系臓器にひろがる傾向があるため、基本的には全身の病気ということになります。従って局所に発生した病気といえども、診断確定後は主に内科(血液内科)が中心となって治療されることが一般的です。中高年の方に多いですが、若い方でもみられます。耳鼻咽喉科領域では、口蓋扁桃>上咽頭>頚部リンパ節>鼻・副鼻腔の順に多く発見されます。自覚症状はいずれの部位に発生した場合でも初期の段階でははっきりしないことがほとんどです。少し進行すると下表のような症状が出てきます。
| 口蓋扁桃 | のどの異物感、声がこもる、自覚症状はないが片側の扁桃腺が大きい。 |
| 上咽頭 | 鼻詰まり、耳がこもる感じ、難聴。上咽頭癌と違い、頭痛は少ない。 |
| 頚部リンパ節 | 大きいわりに触っても痛みがない。触ると比較的よく動く。 |
| 鼻・副鼻腔 | 鼻詰まり、鼻汁。上顎癌[=鼻の癌(よくあるQ&A 鼻編 Q14)]と異なり、鼻血はまれ) |
検査はやはり頚部のぐりぐりに対して行う一般的な検査(よくあるQ&A くび編 Q1参照)が行われますが、腫れている場所の一部を採取してこれを顕微鏡でみる病理組織検査で診断が確定します。もしこの検査で悪性リンパ腫との診断がついた場合、病期(病気の進行の程度)を調べる検査が必要となります。ここからは内科、放射線科が中心となって検査、診断を進めます。全身のリンパ節(特に脇の下、そけい部は重要)の触診、シンチグラフィー(放射性物質を注射したあとレントゲンを撮る)、CT検査(頚部、胸部、腹部)、腹部の超音波検査(エコー)、消化管造影(消化管に造影剤を入れてレントゲンを撮る)、骨髄穿刺 [ 胸骨(胸部正中の肋骨と肋骨の間の骨)や腸骨(腰骨)から皮下麻酔をして太い針を刺して骨髄を採取する検査 ] などを至急行います。つまり徹底的に、病気の拡がり具合を調べるわけです。治療がうまくいくかいかないかの大きな分かれ目の1つは横隔膜(おうかくまく)より下の臓器にまで病気が及んでいるかです。横隔膜より下に及んでいる状態とういうのは、例えば扁桃腺や頚部のリンパ節に初めに病気が見つかったときに胃や脾臓にも拡がっていた場合などのケースです。治療は比較的早期なら放射線治療が中心となりますが病期が進むにつれて強力な化学療法(抗がん剤の点滴)との併用が必要となります。口蓋扁桃からの発生が疑われる場合は、治療と診断を兼ねて口蓋扁桃を丸ごと摘出します。 よくあるQ&A くび・顔面・その他 に戻る