よくある質問と答え (耳編)   

トップページへ戻る

Q1 中耳炎によくかかりますが、耳が聞こえなくなったりしませんか?
Q2 中耳炎はくせになりやすいって聞いたのですが、本当ですか
Q3 中耳炎はどうして起こるのですか?予防法などがあれば教えてください。
Q4 滲出性中耳炎(耳に水がたまっている)といわれて長期間通院をしています。
Q5 子供の耳掃除はどのようにしたらよいのでしょうか?
Q6 最近子供が呼んでも返事をしなかったり聞き返しが多いのですが....。
Q7 急に聞こえにくくなりました。どんな病気がありますか?
Q8 耳鳴りって治りますか? また、どんな原因があるのですか?
Q9 耳のつまった感じがします。耳あかは溜まっていないと思うのですが....。
Q10 飛行機に乗るといつも耳が痛くなります。どうなっているの?何かいい方法はありませんか?
Q11 プールで耳に水が入ってしまい、どうしても抜けないのですが....。
Q12 ダイビングをしているのですが、よく耳が痛くなります。
Q13 いつも耳がかゆくてしょうがありません。
Q14 めまいの原因について教えてください。
Q15 自分の子供の聴力が少し心配です。
Q16 子供が小さいのですが、聴力検査はどのようにするのですか?
Q17 子供の難聴はいつ頃までに発見できれば大丈夫なのでしょうか?
Q18 難聴の子供が生まれる割合は?
Q19 難聴は1才6ヶ月の検診ではひっかからなければ安心していいでしょうか?
Q20 子供の耳たぶの前の部分が時々腫れます。
Q21 慢性中耳炎について教えてください。
Q22 真珠腫性中耳炎といわれましたが、これって何ですか?
Q23 難聴は遺伝しますか?
Q24 鼓膜の穴を閉じる手術があるって聞いたのですがどんな手術ですか?
Q25 普段耳をよく触っています。昨日来耳たぶに当たると痛みを感じます。
Q26 ピアスをしていたところがだんだん腫れてきました。ピアスをするときの注意点や合併症・治療について教えてください。
Q27 夜中に子供が急に耳を押さえて激しく泣いています。どうすればよいでしょうか(急性中耳炎)?


Q1.中耳炎によくかかりますが、耳が聞こえなくなったりしませんか?
A 中耳炎(詳しい説明はここをクリック)はその都度きちんと治療をすれば、ほとんどその心配はいりません。ただし、放置すると、将来的に難聴を残す危険性もありますので、必ずきっちり治しておいてください。 急性中耳炎の質問はQ1〜Q3 滲出性中耳炎はQ4、Q6 慢性中耳炎はQ21 真珠腫性中耳炎(中耳真珠腫)はQ22 参照

質問リストに戻る



Q2.中耳炎はくせになりやすいって聞いたのですが、本当ですか
A 確かに同じ子供さんが何度も中耳炎(詳しい説明はここをクリック)になり、外来に来られる傾向はないとはいえませんが、小学校低学年くらいまでで多くの子供さんは中耳炎になる回数は減り、程度も軽くなります。 急性中耳炎の質問はQ1〜Q3 滲出性中耳炎はQ4、Q6 慢性中耳炎はQ21 真珠腫性中耳炎(中耳真珠腫)はQ22 参照

質問リストに戻る


Q3.中耳炎はどうして起こるのですか?予防法などがあれば教えてください。
A 風邪をひいて、鼻や咽喉に炎症が起こると、そこで細菌が増殖し、これが耳の方に上っていき、中耳炎を起こすパターンが多いです。鼓膜に穴があいていなければ、耳の外から水が入っても通常中耳炎にはなりません。予防としては風邪をひかないように注意すること、ひいてしまったら中耳炎(詳しい説明はここをクリック)を起こしやすい子供さんなどでは早めに耳鼻科か小児科を受診するのがよいでしょう。 急性中耳炎の質問はQ1〜Q3 滲出性中耳炎はQ4、Q6 慢性中耳炎はQ21 真珠腫性中耳炎(中耳真珠腫)はQ22 参照

質問リストに戻る


Q4.滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん=耳に水がたまっている状態→特集ページはココ)といわれて、長期間通院をしていますが、なかなかよくなりません。なぜこんなに治療期間が長引くのでしょうか? 
A この病気は少し治療に時間がかかるものが多く、治療には根気が要ります。幼少のこどもさんなどでは、耳管(じかん=ここをクリックの働きがまだ未発達で、さらにアデノイド(ここをクリック)も大きく(耳管の入り口を閉塞しがち)、鼻炎、咽頭炎を生じやすいこと、鼻すすりをしたり、鼻をじょうずにかむことができないことなどが、滲出性中耳炎がなかなか治りにくかったり治っても再発しやすい原因ではないかと考えられています。痛くもなく、また、それほど聞こえにくい様子もないこともしばしばで、治療の必要があるのか、疑問を感じられることもあるかと思いますが、やはり通院の必要はあります。ただし、程度が問題です。軽い状態であれば、通院の間隔、回数を減らすことができますし、やや重い状態であっても、鼓膜の内側に小さなチューブを留置する簡単な手術(ほぼ無痛的にできます。ききわけのよい子であれば幼稚園くらいから外来で可能)を受けることによって通院間隔を大幅に減らすことも多くの場合、可能です。チューブはもちろん耳の外からは見えませんし、異物感もありません。また、耳掃除も普通どおりにしていただくことができます。
下図(左)=チューブを入れている様子 @鼓膜 A中耳腔(液体がたまっている) B耳管 C耳小骨
下図(右)=チューブが留置された鼓膜



チューブを入れる手術を受けるメリットとデメリット(一般論)
メリット デメリット
手術 ききわけのよい子供〜大人なら局所麻酔(外来)で可能。麻酔約10分、手術時間約5分。 じっとできない子供さんの場合、全身麻酔(入院)が必要。
通院回数 少ない(2〜4週間に一度くらいで可)。
日頃の自覚症状 良好。チューブ留置中は常によくきこえる。
スイミング 耳栓が必要。飛び込みはすすめられない。
病気自体の治療期間 やや短くすむことが多い。
治療終了後の問題点 ・やや再発しにくい。
・再発した場合、もう一度チューブを入れることも可能。
鼓膜に穴が残ることがある。通常はチューブを取って1〜3週間で穴はなくなる。
その他 手術費用は保険3割負担の方で1万円くらいかかる(片耳)が、繰り返し通院する場合の時間や毎回の費用のことを考えると、高いともいえない? ・せっかくいれたチューブがすぐに取れてしまったりすることもまれに。
・チューブを取り外すときは、ピンセットで、一瞬引っ張るだけ。



質問リストに戻る


Q5.子供の耳掃除はどのようにしたらよいのでしょうか?
A. 通常の場合ですと、回数的には1〜3週間に1回くらいで十分です。方法は、綿棒などで耳の穴の入り口から1センチ以内くらいのところまでの部分を痛くない程度に軽くこすってやり、自然にとれてくるものだけをとります。ベビーオイルを綿棒につけて耳掃除をする方法が紹介されているのをみることがありますが、カビの発生の原因になることも指摘されており、私はおすすめしません。小さい子供さんの場合、無理をせず、お近くの耳鼻咽喉科を受診して ”耳掃除をしてください” とはっきりおっしゃっていただければ、ほとんどの病院で簡単にきれいにとってくれると思いますので、1年に1〜3回くらい(耳あかのたまり方には個人差が大きい)受診されるのが望ましいと思います。中には耳掃除のやりすぎで、外耳炎(Q25参照=ここをクリック)を起こしていたり、ひどい場合には鼓膜が破れていることもありますので気をつけてください。

質問リストに戻る


Q6. 今まではよく聞こえていたようですが最近子供が呼んでも返事をしなかったり聞き返しが多くなりました。また、しゃべる声が大きくなっています。
A 滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん→Q4参照 特集ページはココ)が最も多い原因です。耳の中(鼓膜の内側)に水がたまる病気です。風邪をひいたあとや、急性中耳炎(詳しい説明はここをクリック)を起こしたあとになることが多いですが、きっかけなく起こることもあります。きちんと外来通院すれば難聴を残すことはまれですが、治療期間は長い場合ですと年単位になることもあります。

質問リストに戻る


Q7. 急に聞こえにくくなりました。どんな病気がありますか?
A. 考えられる病気はたくさんあります。

1 突発性難聴(詳しくはここをクリック)
<特徴>
突然に片方の耳に生じます。耳鳴りや、耳の詰まる感じ、または、周囲の音が変にひびいて聞こえることが比較的多いです。めまいを伴うこともあります。
<対応>
受診時期が予後に関係してきますので、
1日も早く受診しましょう。治療は点滴が中心となります。
2 耳あかが奥につまった場合(耳垢栓塞じこうせんそく
<特徴>
耳の比較的外側にあったものが、ひょんなことで、奥の方に移動して耳せん状態になることがあります。自分の声が大きく聞こえるような感じがすることもあります。
<対応>
受診して耳掃除をしてもらいましょう。

3 耳に水が入った Q11も参照
<特徴>
これは自分でわかると思います。
<対応>
水の入った耳を下にしてケンケンをしたり、綿棒でも取れないようなら受診しましょう。これは裏技ですが、少量の水滴だとかえって取りにくいので、もう一回わざと耳に水を入れる方法もあります。しかし、鼓膜に穴があいている方などはこの方法は中耳炎を引き起こす恐れがあり、お勧めできません。
4 鼓膜が破れた(鼓膜穿孔=こまくせんこう 鼓膜の穿孔の閉鎖手術についてはQ24参照
<特徴>
耳掃除中に奥を触ってしまった、耳のそばを殴られた場合(夫婦ゲンカのビンタなど)に多い。
<対応>
早めに受診して消毒を受けてください。多くの場合、徐々に穴はなくなりますが、感染すると閉じにくくなるので、入浴時などに耳に水が入らないように気をつけましょう。また、場合によっては鼓膜だけでなく、もっと奥の骨耳小骨)や内耳にまで障害(外リンパ漏)が及んでいることもあり、注意が必要です。めまいや耳鳴りは、内耳への影響が出ている証拠となります。できるだけ早く受診しましょう。

5 すごく大きな音を聴いてしまった(音響外傷おんきょうがいしょう
<特徴>
爆竹が耳元で鳴った、カラオケやロックコンサートに行った直後など。このケースでは耳鳴りを伴う確率が高い。
<対応>
早急に受診して検査を受け、状況に応じた内服または点滴治療を受けてください。しばらくの間、なるべく大きな音は聴かないで下さい。大きな音に対する抵抗性は個人差が大きいですので、周りにいる人が平気でも自分も大丈夫とは限りません。
6 脳血管障害が発生した
<特徴>
ほとんどが年配の方に生じます。
難聴以外の何らかの症状を伴うことがほとんどです。ふらつき、吐き気、頭痛、しびれ、ろれつが回らない、手足が動かしにくい、受け答えが変、など、何らかの耳以外の症状があれば早急に受診しましょう。
<対応>
とにかく急いで病院(脳外科)へ。
7 その他
@頭部・耳部の外傷(ここをクリック)
Aウィルス感染症 [ ウィルス性内耳炎(ここをクリック) はしか、おたふくなどが多い→幼少の子供さ多い 
B
気圧外傷(外耳道の気圧の持続的なまたは急な変化によって生じる鼓膜の破裂、中耳炎、内耳出血など)
C外リンパ漏(ここをクリック)
D
機能性難聴 [ 耳から脳にかけての聴覚の伝導路に全く異常のみられない難聴→心因性難聴(精神的要因による難聴)と詐聴(さちょう=きこえないふり) ]。
E
聴神経腫瘍(ここをクリック) 通常は緩やかな症状の進行のパターンだが、たまに急な発症の仕方のことも。


質問リストに戻る


Q8. 耳鳴りって治りますか?また、どんな原因があるのですか?  
A 原因にもよりますが、”もう何年も前から同じ音が鳴っている”、というような慢性化しているものが治ることは、一般的にはほとんどありません。一方、急に生じた耳鳴りの場合、いろいろ病気が考えられますがすぐに対処すれば治るものも多いです。前述の突発性難聴音響外傷(Q7の表中の5参照)などに伴う耳鳴りは外来診療をしていて非常に多い原因で、早急な対処が必要となる病気ですので、なるべく早く受診しましょう。また、以前から鳴っている耳鳴りについても下記の表のようにいろいろな原因が考えられるため、一度は受診してみられるのが望ましいです。

耳鳴りの原因はさまざまです。以下に原因となりえる病気を挙げてみました。下表の1、2、4の中に含まれる病気のうち重要な病気(
のマークのついているもの)についてはそれぞれ耳のQ&Aのページ内で詳しく解説していますので、そちらも参照してみてください。

(注) 「難聴を伴う」と記載されているものについては、必ずしも難聴を自覚するわけではなく、聴力検査をすると難聴が発見される、というものも含みます。

耳鳴りの原因となる可能性のある主な病気
分類 病気 特徴・典型的なパターン
1 外耳の病気 耳垢(みみあか) ”ころころ”など、耳の中で動く音。
外耳道異物 昆虫などもある。入っているものによって色々だが、がさがさ、などが多い。
その他 腫瘍(癌)→まれにある。
中耳の病気 急性中耳炎 炎症の強いときは”ドクドク”など、脈拍と一致したリズムの音のことが多い。
慢性中耳炎 耳鳴りを訴える方は少ない。
真珠腫性中耳炎 ある程度進行したものの場合がほとんど。キーンなど(内耳に炎症の影響が出た場合)。
滲出性中耳炎 耳のつまった感覚や自分の声が自分でこもったようにきこえる。純粋な耳鳴りとは異なることが多い。
耳硬化症(じこうかしょう) 中年の方に多い。女性>男性。多くは両耳の耳鳴り。難聴を伴う。
その他 腫瘍(癌)→まれにある。鼓室硬化症。
耳管(じかん)の障害 耳管の機能不全 純粋な意味での耳鳴りではなく、耳の詰まった感覚に近い症状や鼓膜が異常に振動しすぎる音がきこえる症状(あくびや飲み込んだ時のガサガサ、など)などのことが多い。
口蓋筋などの痙攣(けいれん) のど、口、耳の周辺の筋肉。ぱちぱち、など。通常難聴はない。
内耳の病気 突発性難聴 キーン、ワーン、ザーなど、種々。難聴とほぼ同時に生じることが多い。めまいを伴うこともある。
内耳炎 同上。ウィルス感染や中耳炎などが内耳にまで広がった場合など。他に梅毒(近年はまれ)。高度の難聴やめまいも伴うことが多い。
外リンパ瘻 水の流れるような音が多い。難聴を伴う。耳鳴りのある耳を下にすると音が大きくなることが多い。程度によってはひどいめまいも。
メニエール病 周期的(長さはさまざま→長い場合は年単位。短い場合は数時間)に音色や音の大きさが変化することが比較的多い。難聴、めまい(ふらつき)を伴う。
薬物中毒 突発性難聴の時と大体同様。難聴を伴う。
老人性難聴 キーンなど。主に高い音(周波数)の聞き取りが悪いことが多い。
音響外傷 ロックコンサートなど、大音響下にいた直後から自覚する。キーン、ワーンなど。難聴を伴うことが多い。
騒音性難聴 長年、騒音下で仕事などをいていた方。大音量の音楽でも。キーンなど、比較的高音の耳鳴りが多い。ほとんどが高音が聞こえにくい症状を伴う。
その他 外傷、内耳の奇形、遺伝性の難聴
聴神経・脳の障害 聴神経腫瘍 難聴はほとんど生じるが、耳鳴りは感じる方と感じない方の両方のパターンがある。めまいや浮動感(ふわふわした感覚)などを伴うことも。
脳腫瘍・脳血管障害・奇形など 色々。耳鳴り以外に神経症状を伴う。
頚部〜脳の神経・血管の病気 頚部変形性脊椎症(けいぶへんけいせいせきついしょう) 椎骨(せぼね)の変形、椎間板(せぼねとせぼねの間に位置するクッション)の変性によって椎間板が移動し、椎骨動脈を圧迫するもの。頚部を動かすことによって血液の流れが変化して、一時的な耳鳴り以外にもめまい、眼症状、顔面の感覚異常などが生じうる。
頚腕症候群(けいわんしょうこうぐん) 頚部の運動によって頭、くび、肩、腕の痛み、脱力、運動障害がでるもの。耳鳴りを伴うタイプもある。
むちうち症 耳鳴り以外にも頭痛、頚部痛、吐き気、手足の感覚・運動障害など、さまざまな症状が生じうる。
全身の病気 心臓・血管系の病気 高血圧などでは脈拍に一致したリズムのことが多い。耳の奥にある血管から発生する腫瘍などもまれに。動脈硬化症なども。
血液の病気 理論的には原因となりえるが、因果関係を証明することは簡単ではない。
代謝の障害 糖尿病がもっとも多い原因。甲状腺機能の亢進(こうしん=上昇しすぎ)も原因になりうる。
神経系の病気 原因となりえるが、因果関係を証明することは簡単ではない。
その他 比較的若い方の場合、食生活が乱れている時(高脂血症、ビタミン欠乏)や、過労、睡眠不足、ストレスなどが関係することも。
原因不明 色々調べても全く原因がわからない場合も多い。


質問リストに戻る


Q9. 耳のつまった感じがします。聞こえにくいとは感じていません。耳あかもたまっていないと思うのですが....。
A 耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)といって、耳と鼻をつなぐ管(耳管)の調子が悪い状態 [中耳腔の空気の出入り、気圧の調整、中耳腔内の自浄作用(じじょうさよう=自らその場所をきれいに保つ作用)、排泄機能の低下] が原因として最も考えられます。風邪などの伴う上気道炎がきっかけとなることが多いですが、何の理由もなく生じることもあります。飛行機に乗ったり、高い山に登ったときの感じ、と訴える方が多いですが、この病気は自然にまたは通院治療(通気治療という鼻から耳に空気を通す治療が中心)でほとんどの場合徐々に改善してきます。但し、難聴は自覚していなくても調べてみると実は前述(Q7参照)の突発性難聴(ここをクリック)をはじめとする早急に対処する必要のある病気のことも比較的多く、1〜2日も続くようなら難聴を自覚していなくても注意が必要です。まれにですが、鼻の奥のできものなどが原因になっていることもあり、早めに受診しましょう。

質問リストに戻る


Q10. 飛行機に乗るといつも耳が痛くなります。何かいい方法はありませんか?
A ほとんどが飛行機が高度を下げ始めてから生じるもので、これは、飛行機が高度を下げるとともに鼓膜の外の気圧が上昇して鼓膜を圧迫するからです。つばを何回か繰り返し飲み込んだり、あめをなめたり、あごを動かしてみたりしてもだめな場合は、以下の方法を一度試してみてください。

<方法1> 口を閉じて鼻をつまみ、”ウッ”っといきむ(バルサルバ法)。
5〜6回やってだめならあきらめたほうがよいです。
やりすぎると、鼓膜が炎症をおこしたりします。
<方法2> 客室乗務員の方に、紙コップに氷を入れてもってきてもらい、
これを耳の穴にピッタリ当てておく。

これらをやっても解決しない方は、耳鼻咽喉科で相談してください。前述(Q4参照)のチューブを入れる手術を受けておくとほとんど大丈夫です。頻回に飛行機に乗る必要のある方のうち、いつも強い痛みに悩まされている方にはおすすめです。一度チューブを留置すると一年くらいはもちますし、耳あかでつまってしまったり、脱落してしまったらもう一度入れることも可能です。また、飛行機に乗る直前に鼓膜を切開してもらうことも有効ですが、切開した鼓膜の穴は通常数日で閉鎖しますので、海外旅行などですと、帰りの便では、もうその効果はなくなっているかもしれませんね。
※ 耳栓をして飛行機に乗ることはお勧めできません。耳栓をすると、耳栓と鼓膜までの間の空間が閉鎖腔となります。鼓膜の外側の気圧と内側の気圧のバランスをますますうまくとりにくくなる可能性があるでしょう。

質問リストに戻る

Q11. プールで耳に水が入ってしまい、どうしても抜けません。受診するしかありませんか?
A 裏技ですが、耳にもう一度少量の水を入れて一緒に出す方法があります。鼓膜に穴があいていたり、外耳炎(Q25参照=ここをクリック)などを起こしている方の場合、トラブルになる可能性がありますので、あまりお勧めはしませんが.....。 Q7も参照

質問リストに戻る


Q12.ダイビングをしているのですが、よく耳が痛くなります。何か予防方法はありませんか?
A 耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう=Q9参照 クリック)ですので、耳鼻咽喉科で耳、鼻、のどを一度みてもらいましょう。鼻炎や(慢性)副鼻腔炎のある方は、これをきっちり治療することで改善する可能性はあります。これらの治療を受けているにもかかわらずダイビングの時の耳抜きがうまくいきにくい方は、残念ですが、ダイビングをきっぱりあきらめたほうがよいでしょう。無理をすると鼓膜が破れるだけでなく、鼓膜の内側の骨やその奥の耳の神経にまで影響が及び、あとに高度な難聴を残したり(外リンパ漏参照 ここをクリック)、水中で激しいめまいのためパニックに陥って危険な状態になることがあります。それでもどうしても潜りたければ、耳が痛くなり始めた深さ以上の深いところまでは決して行かないようにして下さい。

また、普段調子よく潜っている方も、以下のことは必ず守りましょう。

1 体調の悪いときは潜らない。体調がよくても鼻詰まりのときは禁。
2 前日はお酒を飲まない。どうしても飲みたければ少量にしておく。
3 エアコンの使いすぎに注意。


質問リストに戻る


Q13.いつも耳がかゆくてしょうがありません。
A 外来に来られる方では耳の触りすぎの方がほとんどです。風呂上りに習慣のように毎日綿棒で耳を触っているとおっしゃられるパターンが最も多いです。しばしば耳の皮膚は赤くただれたようになっているか、表面が充血しています。この場合、とにかくまず耳掃除を減らすことがもっとも効果的です。しかし、自己判断で済ませず、一度診察を受けてみてください。耳にはカビも生えやすく、この場合はカビを抑える塗り薬も必要になります(Q25 外耳炎 参照)。

質問リストに戻る


Q14.
めまいの原因はいろいろあると聞きましたが、それぞれの特徴を教えてください。
A まず、中枢性(頭の中が原因のもの)か末梢性(まっしょうせい=中枢性以外)なのかを見極めることが重要です。中枢性の中でも特に脳血管障害の場合は緊急に対処しなければなりません。中枢性と末梢性の鑑別表を提示します。表の項目4、6、7は役立つことも多いですが、めまい症状というのは、簡単に原因の特定できない場合も日常茶飯事です。以下の表も参考の一助にはなりえますが、例外も多く、必ず診察を受けましょう。

症状 末梢性めまい 中枢性めまい
1 めまいの性質 回転性が多い。 非回転性が多いが例外も多い。
よろめき感も比較的多い。
2 症状の持続する時間 比較的短い。
発作的に生じることが比較的多い。
長いことが多い。
だらだら続くことも多い。
3 吐き気、冷や汗 伴うこともある。 比較的少ない。
4 意識の障害 意識は常時はっきりしている。 伴うことが多い。
5 平衡感覚の障害 障害のある方によろけることもある。 方向が定まらない、前後方向のことも。
6 耳鳴り、難聴 併発することも多い。 伴わないことがほとんど。
7 その他の神経症状 例外を除いて伴わない。 運動麻痺、感覚麻痺などを伴うことが多い。

鑑別を要する病気(いずれにしても受診が必要です)

a メニエール病(ここをクリック)
難聴(特に低い音が聞こえにくくなることが多い)、耳鳴りを伴う。繰り返しめまいを生じる。昔から有名な病気ですが、典型的な症例は現実には少ない

b 突発性難聴(とっぱつせいなんちょう=ここをクリック)
突然片方の耳が聞こえにくくなる。耳鳴りを伴うことが多い。耳の詰まった感じや音が妙に響いて聞こえたり、音が割れて聞こえることが比較的多い。めまい発作は繰り返し生じることはほとんどない

c 前庭神経炎(ぜんていしんけいえん=ここをクリック) 
激しい回転性のめまいを伴うが、難聴、耳鳴りはない。発症前に風邪をひいていることが多い。
やはりめまい発作の繰り返しはない。 
 
d 良性発作性頭位めまい(りょうせいほっさせいとういめまい=ここをクリック)
体や頭を動かした瞬間に生じる。特に一定方向を向いた時に起こるものが多い。難聴、耳鳴りはない。

e 頚性めまい
頚部の動きなどによって誘発されるめまいの総称
(1) 椎骨脳底動脈循環不全(ついこつのうていどうみゃくじゅんかんふぜん)
年配の方に多い。背骨の中を走っている動脈(椎骨動脈)や、その延長上にある脳底部を走る脳底動脈の血液の流れが、頚部の動きによって変化するために生じるめまい。回転性のめまい、ふわふわするめまいなどが生じます。また、急に目の前が真っ暗になったり、眼症状や意識が遠のくような症状も伴うことがあります。
(2)頚部の自律神経を刺激して生じるめまい
(3)頚反射(けいはんしゃ)の異常によるめまい (注 頚反射・・・首の動きに伴って反射的に骨格筋の緊張が変化するもの)


f 起立性低血圧
(きりつせいていけつあつ)
比較的若い方に多い。

 慢性中耳炎(まんせいちゅうじえんQ21=ここをクリック)真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえんQ22=ここをクリック)などの炎症性疾患
みみだれを伴う。耳の痛みはないことの方がむしろ多い。

h 聴神経腫瘍(ちょうしんけいしゅよう=ここをクリック
めまいがだらだら続くことが多い。何らかの他の神経症状(顔面の感覚異常、顔面筋の運動麻痺など)を伴うことが多い。

i 脳幹・中枢障害 
・脳幹/小脳梗塞・出血 意識障害、感覚・運動麻痺などがあれば疑って至急受診を!
・腫瘍(脳腫瘍) めまいはだらだら続くことが多い。他の神経症状を伴うことも多い。
・多発性硬化症 10万人中、数人程度に発症。女>男 比較的若い方に多い。
 症状はさまざまですが、視力低下や物が二重に見えるなどの症状から始まることが比較的多い。
・高血圧、動脈硬化症、変性・代謝性疾患 内科できっちりコントロール、治療しましょう。


質問リストに戻る


Q15. 自分の子供の音に対する反応があまりなく、聴力が少し心配です。小児の難聴(先天性高度難聴)はQ15〜19、23

A ことばの習得は生後から4歳までが特に重要とされています。このため、もし生まれつき高度の難聴(先天性高度難聴)の方の場合、出来る限り早い段階で対処する必要があります。1歳6ヶ月検診、3歳児検診でひっかからなく、そのあとになって発見されるケースもあり、注意が必要です。いつも一緒に過ごしているお母さんが疑えば受診をして、積極的に専門的検査を受けてみたい、との希望をはっきり病院でおっしゃられるのがよいと思います。言葉の発達がやや遅れ気味というだけでなく、何となくでも、疑えば早めにまずは近くの耳鼻科を受診してみましょう。

難聴(先天性高度難聴)のハイリスク
の方は一般には以下のとおりです。該当項目がある方で、ちょっと聞こえにくいのでは?と思っておられる方は注意してください。これらの条件が当てはまる方の場合、そうでない方と比べると難聴である確率が約10倍くらいあると考えられています。

 ・ 家族に難聴者がいる(先天性の難聴者のうち
約50%の方が遺伝といわれています)
 ・ 妊娠中の感染(風疹ウィルス、サイトメガロウィルス)
 ・ 頭や顔面に奇形がある
 ・ 血液中のビリルビンの数値が高い(高ビリルビン血症)
 ・ 低出生時体重(1500グラム未満)
 ・ 髄膜炎(ずいまくえん)を起こした
 ・ 仮死状態になった
 ・ 耳に毒性のある薬剤の投与を受けた
 ・ 5日以上の間、人工呼吸器をつけていた
 ・ 難聴を合併する症候群や染色体の異常
がある

質問リストに戻る

 

Q16. 子供が小さいのですが、聴力検査はどのようにするのですか? 小児の難聴(先天性高度難聴)はQ15〜19、23

A まずは耳の中の観察です。滲出性中耳炎(Q4 Q6参照)やみみあかなど目に見える病気がないかどうかをまずチェックし、これらがない場合についての主な検査方法を記述します。以下の検査で難聴と診断された場合、頭・耳のCT検査なども行われます。幼少時の聴力検査は、自分できこえているかどうかの意志表示が正確にできないためいろいろ難しい面もあり、正しい結果を得るのにいろいろ工夫が施されます。もちろん1つの検査ではなく複数の検査を行った上で総合的に聴力を判定します。これらの少時の聴覚検査を詳しく、かつ正確にできる施設はとても少なく、受診先の病院で検査できない場合は検査の可能な病院や施設に紹介してもらうことが必要になります。

対象月齢 方法
聴性行動反応検査 モロー反射 0〜3ヶ月 突然の音の刺激で手を前に出す
(BOA) 眼瞼反射 0〜3ヶ月 突然の音の刺激でまばたきをする
驚愕反射 0〜3ヶ月 突然の音の刺激で泣いたり振り向く
詮索反応 3,4ヶ月〜 突然の刺激で目を動かしたり振り向く
定位反応 3,4ヶ月〜 音源の方向に顔を向ける
驚愕反応 3,4ヶ月〜 突然の音で泣いたり、動作を止めたり...。
条件詮索反応聴力検査COR) 1〜2歳 音がしたら人形が見える、などの条件づけを繰り返し条件づけに成功したら音を徐々に小さくして....。   
遊戯聴力検査 ピープショーテスト 2〜3歳以上 音の刺激に対してボタンを押すと人形などが見られることを覚えさせて、音を徐々に小さくして...。
数遊び法 3歳以上 受話器をつけておき、音が聞こえたらおはじきやさいころを移動させる。うまくできたらほめてあげる。
他覚的聴力検査 耳音響放射(OAE) 0ヶ月〜 耳の穴に入れたプローブから音を入れ、耳から放射される内耳由来の音響反応を記録・分析する。 非常に簡便
聴性脳幹反応(ABR) 0ヶ月〜 顔に電極をはり、ヘッドホンより音を聴かせ、脳波をとる。 重要


欧米ではここ数年、上表の耳音響放射(OAE)、聴性脳幹反応(ABR)など、新生児聴覚スクリーニング(注)用機器の開発が進み、これらを利用した全出生児を対象とした聴覚スクリーニング検査が行われるようになりました。日本ではまだごく一部でしかスクリーニング的には行われていませんが徐々に広まると予想されます。(注)スクリーニング・・・対象者全員に対して明らかな異常がないかどうか判別するための簡易検査のこと。

ABR 従来のABRと異なり、「自動ABR」と呼ばれます。natus-ALGO2という製品の例をでみると、検査時間が大幅に短縮(全部で20分程度)、特別な知識や経験がない人でも検査可能、判定が自動的に表示される、両耳を同時に検査することが可能などの特徴をもちます。
OAE スクリーニング用の自動OAEであるER-33(リオン)では耳の穴にイヤホンのような形をした特殊なプローブを入れると数十秒で自動的に結果が表示されます(ただし片耳ずつ検査する必要はあります)。精度は自動ABRにやや劣ります。

質問リストに戻る


Q17
. 子供の難聴(先天性高度難聴)はいつ頃までに発見できれば大丈夫なのでしょうか?
 
小児の難聴(先天性高度難聴)はQ15〜19、23
A 早ければ早いほどよいです。両方の耳の高度な難聴の子供での比較において同じ月齢の場合、6ヶ月以内に発見された場合と、それ以降に発見された場合とでは、前者の方が語彙数(ごいすう=言葉の数)などで優れていることが報告されています。このため欧米諸国においては全部の新生児に対し、聴覚のスクリーニング(Q16の注)検査行うことを義務付けるようになってきています。日本でも今後徐々にその方向に向かいそうですが、やや遅れています。

質問リストに戻る

Q18. 特に心配するような理由はないのですが、難聴(先天性高度難聴)の子供が生まれる割合はどのくらいですか?
A 出生1000人あたり1〜2人と一般に言われています。しかしこのうち半分以上が両耳の難聴です。日本の最近の出生数は100〜120万人で、この割合から計算すると年間1000〜1500人の難聴の赤ちゃんが生まれていることになり、決して少ない数とはいえません。先天性代謝異常の発生率より高率なのです。  小児の難聴(先天性高度難聴)はQ15〜19、23

質問リストに戻る


Q19.音に対する反応が鈍いのですが、1才6ヶ月の検診でひっかからなければ大丈夫でしょうか?
A 平成9年度から1才6ヶ月児健康調査が法制化されましたが、3才児検診と違って1才6ヶ月検診では聴覚検診として行うようにはなっていません。”言語障害の有無” というチェック項目で包括されているのが現状で、日本耳鼻咽喉科学会では 「1才6ヶ月児および乳幼児健康審査における聴覚検診手引き」 を作成して自治体への積極的な参加を呼びかけています。中等度以上の両耳の難聴は遅くとも1才代までに発見することが理想的であることを考えると、検診ではOKといわれた場合でも、難聴(先天性高度難聴)を疑う場合は近くの耳鼻咽喉科を受診し、自分から詳しい検査を受けたいとはっきり希望されることが望ましいと思います。  小児の難聴(先天性高度難聴)はQ15〜19、23

質問リストに戻る

Q20. 子供の耳たぶの前の部分が時々腫れます。

A 先天性耳瘻孔(せんてんせいじろうこう)と思われます。受精卵からヒトの形ができていく過程で耳介隆起(じかいりゅうき)という部分がうまく癒合(くっついて合わさること)しなかった場合にこの瘻孔(ろうこう=たこの足のように広がる管状物)が残ります。ここに感染が起こると腫れたり、内部で膿をつくります。膨らんでいるところを圧迫すると破れて膿が外に出て腫れはいっぺんにひっこむことがありますが、この方法はあまりしないでください。逆に膿が奥に入ってしまうと炎症がひどくなる可能性があります。左図の場所(灰色の部分)が最も多いです。抗生物質を飲んだりひどいときでも点滴をすればとりあえず炎症は治まりますが、何回も繰り返す方の場合、手術で摘出します。手術には入院が必要です。局所麻酔でも多くの場合可能ですが、子供さんの場合は全身麻酔が必要となります。




質問リストに戻る



Q21. 慢性中耳炎について教えてください。
A 難聴(伝音性難聴=ここをクリック)と繰り返すみみだれが特徴的です。鼓膜には穿孔(穴があいた状態)が見られます。一般には急性中耳炎を繰り返していると生じるものが大部分とされていますが、直接的に急性から慢性になっていくとは限りません。中耳炎が慢性化する原因はいろいろあります。この病気は日頃は特に軽〜中等度の難聴以外に自覚症状もほとんどないことが多いですが、かぜをひいたときなどに急に調子が悪くなり(急性増悪)、多くはにおいのあるみみだれが出てきます。熱や痛みを伴うことはまれです。検査方法としてはまず耳の中の診察(肉眼的、顕微鏡的)、耳の菌の検査、聴力検査、レントゲン検査(単純レントゲン、CT検査)、その他(鼻やのどの検査など)があります。炎症を起こした時に飲み薬や点耳薬(目薬のように耳に入れる薬)や点滴などの治療(保存的治療)を受ければとりあえずこの症状は抑えられます。繰り返し炎症を起こす場合や難聴を改善することを目的としては手術(鼓室形成術 こしつけいせいじゅつ)が行われます
急性中耳炎の質問はQ1〜Q3 滲出性中耳炎はQ4、Q6 慢性中耳炎はQ21 真珠腫性中耳炎(中耳真珠腫)はQ22 参照
質問リストに戻る


Q22. 真珠腫性中耳炎(真珠腫)(しんじゅしゅせいちゅうじえん)といわれましたが、これって何ですか?

A 中耳腔内に侵入した上皮(皮膚)の脱落したものが真珠(パール)のように蓄積したものです。真珠腫の成因についてはいくつかの仮説がありますがいまだよくわかっていません。一例ですが、左図の黒い部分が真珠腫です。骨の破壊性が強く、A〜Fといういろいろな方向に広がり周囲の組織を破壊する性質があるので、治療せず放置していると進行していろんな合併症を引き起こします。主に以下のようなことが起こります。
耳小骨を溶かし、みみだれ、難聴をおこす( G )
骨迷路を溶かしめまい・難聴・耳鳴りをおこす( E )
顔面神経を侵食し、顔面神経麻痺(よくある質問くび・顔面・その他のQ4)をおこす( F )
鼓索神経(こさくしんけい)を侵食し、味覚障害をおこす
側頭骨(頭の横に当たる部分の骨)・頭蓋骨を溶かし、頭蓋内合併症をおこす( A〜D )
真珠腫には
先天性のものと後天性のものがあります。発症年齢や性別はさまざまです。
急性中耳炎の質問はQ1〜Q3 滲出性中耳炎はQ4、Q6 慢性中耳炎はQ21 真珠腫性中耳炎(中耳真珠腫)はQ22 参照
質問リストに戻る


Q23
. 難聴は遺伝しますか? 小児の難聴はQ15〜19、23
A 疫学的には約1000人に1人が先天的高度難聴あるいは小児期に進行性高度難聴をきたすとされています。そのうち大体半分が遺伝性と考えられています。他の病気と同様に難聴に関してもここ数年の間に遺伝性難聴の原因遺伝子や原因遺伝子の存在する染色体上のだいたいの位置がわかってきています。ただし現段階ではこれらの原因遺伝子の有無を効率的に調べる検査方法が確立していません。従って、遺伝形式、臨床症状、聴覚・一般内科的検査結果などから考えて可能性の高い遺伝子から順に調べることが行われています。将来的には難聴になるリスクの高い患者さんの発見や難聴の予防、治療も可能になると期待されています。

質問リストに戻る

Q24. 鼓膜の穴を閉じる手術があるって聞いたのですがどんな手術ですか?

鼓膜の穴(穿孔)についてはQ7も参照

A 鼓膜にあいてしまった穴は、聴こえにくいことはもちろん、耳だれがしばしば出たり、水泳の制限など、多くの支障をもたらすことは、みなさんご存じの通りです。従来より鼓膜の穴を閉じる手術[鼓室形成術(こしつけいせいじゅつ)]は行われていましたが、入院が2〜4週間以上かかり、術後の通院回数も多い、手術を受けても成功しないことがある、手術そのものに対する恐怖心が大きい、などのために、鼓膜に穴があいているという理由だけではなかなか手術に踏み切れない方も多いのが現状でした。しかし、生体(人の体)に使用することのできる接着剤が開発されて以来、患者さんに心身ともに、また、時間的・経済的な負担も軽い手術方法[鼓膜形成術(こまくけいせいじゅつ)詳細はここをクリック]が徐々に普及しています。

鼓膜の穴がなくなるメリット

多くの方で聴力がある程度改善されます(改善の程度は患者さんによって違い、まったく改善しない方もおられます。もし手術を受ければにどの程度聴力がよくなるかは、外来でのテストをすることで調べることができます)。
耳に水が入っても感染しにくくなります。プール、入浴時にあまり神経を使わずにすみます。
慢性中耳炎などの中耳炎を繰り返し起こしていた方も、炎症の回数や程度が軽くなります(これには異論もあります)。


質問リストに戻る


Q25. 普段耳をよく触っています。昨日から急に耳たぶに当たると痛みを感じるようになりました。
A 外耳炎のようです。外耳の皮膚からの感染(感染ではないものもあります)です。プールや海に行った後、耳掃除をやり過ぎた後などには比較的生じやすいです。つまり耳の外側からの感染というわけです(Q3の中耳炎の項を参照)。耳が痛くて外来を受診される患者さんのうち95%は中耳炎か外耳炎といっても過言ではないと思うのですが、両者の違いは、中耳炎はきこえが悪くなります(程度はさまざま)が、耳を触ると痛む、ということはほとんどありません。一方外耳炎では耳たぶを引っ張ったり耳の穴のすぐ前にある隆起(耳殊=じしゅ)を押したりすると痛みが強くなりますが、腫れがかなり強い場合、膿が出ている場合を除いて聴力にまで影響が出ることはほとんどありません。膿が出ていることは両者の鑑別には役に立ちません。治療の原則は両者とも抗生物質(主に内服薬、時に点耳薬 重症例では点滴が必要なことも)ですが、中耳炎の場合は鼓膜を切開したりすることもあります。ただし両者が合併していたり、外耳炎であっても耳垢(みみあか)がたまっていたりしてきこえにくくなっているケースもありますのでご注意ください。


質問リストに戻る


Q26 ピアスをしていたところがだんだん腫れてきました。ピアスをするときの注意点や合併症・治療について教えてください
A 主な合併症を挙げてみました。ある欧米での調査ではピアス装用者の2〜3人に1人は何らかのトラブルがあったとの調査結果も出ています。このうち、治療する上でもっとも厄介なのはケロイド(クリック)でしょう。
 ピアスを”どこで、誰があけたか”は意外とトラブルの発生率と相関関係はなく、
体質の判断(自分はケロイドなどを生じやすいかどうかの事前の見極め)およびケアが重要といわれています。材質的にはチタン、セラミックが最も安全です。

ピアスでの主なトラブル
1 感染・炎症・血腫(血まめ) ・もっとも発生率が高い。

・消毒薬、不適切な外用薬の使用がしばしば原因となっている。

・ピアス入れ換えの際、(まだ穴の表面に十分皮膚がはっていない状態の時に)
小さな傷を作ってしまっていることが多い(自分では気がついていない場合が多い)。特に利き腕側が多い。

ファースト・セカンドピアスは@軸の表面の滑らかなしかもAみみたぶの厚さを考えた軸の長さ(8mm以上)で、B重過ぎない製品を選ぶ(日本人はみみたぶの厚さが6mm以上の方が多い)。
2 金属アレルギー ・一種の接触性皮膚炎。8種類の金属(金、クロム、コバルト、ニッケルなど)で生じる。

・一般に「金」は金属アレルギーを起こしにくいといわれていますが、ピアスは例外。
他の金製品で問題がない方でもピアスだけアレルギー反応が生じるケースは多い!
3 表皮のう胞 袋を形成してしまうもの。完治には手術して摘出するしかない。
4 埋没 文字通り耳たぶの中に埋もれてしまう状態。
5 耳介腫瘤 ”瘢痕”だけにとどまらず、線維組織が異常に増殖するとケロイド(クリック)になる。
その他、リンパ腫様腫瘤と呼ばれる種類の腫瘤も。
6 耳垂裂傷 耳たぶが裂けるもの。


○ケロイドについて

<解説>
線維組織が病的に増殖するとケロイドになります。発生すると治しづらいことや、巨大化することもあり、ちょっとやっかいな病気です。これの発生には多分に
体質が関係しており、ピアスを入れるのに自分が向いているかいないかを事前に判断することが重要です。これにはBCGの予防接種の痕やその他、皮膚の傷などの治りの”きれいさ”がよい判断材料になるでしょう。ケロイドの発生はピアス装用開始後1年以上経過してからのことが多いです。

<治療> 
いろいろ行われていますが、
決め手になる治療法はありません。手術がやや治療成績がよいようです。手術にもピアスをつけたまま行う方法と、はずして行う方法の両方があり、一定の見解はありません。

ステロイド注射 病巣部に直接注射を打つ方法。
圧迫療法 専用のグッズ(ボタンやスプリント)で長期間病変部を圧迫する。
手術 摘出手術。再発率は比較的高く、ある調査では20%以上にも及ぶ。
放射線治療 単独で行われたり、手術後に行われることも。
併用療法 上記の組み合わせ。


<予防>
トラブル発生の予防方法をまとめてみました。 

事前の体質の判断(上記)をきちんとする。
ケア(消毒など)をまめに。
ファースト・セカンドピアスの製品の選択(材質・表面の滑らかさ・軸の長さ・重さ→上記)を慎重に。
ファースト・セカンドピアスの入れ換えの際にを作らない。
トラブルになったと思ったらひどくなる前に受診を。


Q27 夜中に子供が急に耳を押さえて激しく泣いています。どうすればよいでしょうか?

A 急性中耳炎が発症した可能性が高いですので、痛みが強ければ、座薬(小児科なんかでもらっている熱さまし用)を使用してください。痛みにも効きます。熱もないのに座薬を使っていいのか?と思われるかもしれませんが、常用量の必要最低限の量を使用すれば、ほぼ安全と思われます。最低限の量とは体重1kgあたり、10mgです。
例えば16kgの子供さんなら 100mgの座薬なら1個半(150mg) 200mgの座薬なら4分の3個(150mg)ということになります。1つの座薬を2分の1個、3分の2個、4分の3個、といった感じに割って,やや少なめに使用しましょう。あとはよく耳の周りを氷枕などでよく冷やしてあげることです。繰り返し座薬を使用せざるを得ない場合でも最低5時間は間隔をあけてください。入浴はだめです。治療は抗生物質が必要なことが多いですが、翌日(翌日が日曜なら2日後)に受診すれば十分ですので、痛みさえひけば大丈夫です。平熱の時に座薬を使用して低体温になる危険性は0とはいえず、どうしても怖い場合はひたすら冷やしてください。これだけでもある程度の効果は期待できます。


トップページへ戻る