【計画概要】

【医院部分設計趣旨】

　Ｓ歯科医院の計画は、歯科医院＋２世代住宅ということで、今まで専用住宅としていた建物を開業に伴い、全てを立て替えようというものです。
　当然、限られたスペースにそれぞれの医院や世帯に必要な面積をどういう形で確保するかが、最大のポイントでした。
　医院部分では、併用住宅でとかく発生しがちな（生活）自宅との関わり合いを極力排除するように計画を進めました。
　そして内部においては病院によく使われるような素材などを特に意識せず、痛みを持って通院してくる患者に、少しでも安らぎが与えられるようにと考えて空間を構成し、素材の選定をしてみました。
　スタッフの動線に極力無駄の無いよう、又汚れる部分をいかにさりげなく隠し散らかりがちな処方室と診療室との関わり合いに、特に注意を払っています。
　これからの歯科医療の多様化に向けて、患者のあらゆる相談に対応できるようなコーナーを待合室と診療室の間に設置し、診療前・診療後には患者の目線に立ったカウンセリングが行われています。
　実施設計段階では、歯科診療に必要な全ての道具をリスト化し、収納から洗浄にいたるまで全てに無駄のないよう、家具は全て物に合わせた造作家具で構成しています。

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診療室　東を見る

診療室　西を見る

　治療中

【住宅部分設計趣旨】

　住宅部分においては、２世代に必要な機能をそれぞれに合わせた形で、いかに確保するか、ということと、多世代の住宅を計画する際に、とくに必要と思われる、親世代と子供世代との自然な関わり合いを意識して計画を進めました。
　また、限られたスペースを、それぞれの世代の生活サイクルの中で有効に使う上での収納計画を綿密に行い、少しの無駄のないよう配慮しています。
写真でもわかるように、屋根勾配を利用したロフトも、その一例で季節の物の入れ替えなどに一役買っています。
　完成後に、一階の家族室や二階のルーフバルコニーで、ご家族揃っての小宴が時々持たれるというお話をうかがい、円満な家庭を築き上げていくためには２世代住宅が有効な存在なんだな、というあたり前だけれど、とかく忘れがちな目的を改めて確認した次第です。　

１階　家族室

２階　家族室・子供室

２階　家族室

２階　個室

地階　平面図

１階　平面図

２階　平面図

配置図