隊員報告書

第6号(30ヶ月目)

1996年 6月 4日提出

 

I 活動報告

1 観光統計業務

1)これまでの活動の概要

ここではまず、この二年半の業務の流れを振り返ってみたい(添付資料2「活動内容概要」参照)。私が観光省に赴任した当初、観光省には観光統計も統計業務を行なうオフィスも無く、出所のよくわからない資料を前に試行錯誤の連続であった。

観光省に正式に統計オフィスが設置されたのが94年3月。この時チーフとなったのがこれから二年間一緒に仕事をする事になったカウンターパートのチャンター (Mr. TITH Chanta) である。今思えば、彼がいたからこそ私もここまで仕事を続けてこられたと思う。

統計オフィスで観光統計関係の業務をこなせるようになったのが94年8月。しかし、当時のデータはお世辞にも信頼できるものではなかった。観光統計を作成する上でのデータは、内務省 (Ministry of Interior) の出入国レポートを元にしているのであるが、同じ項目の重複、計算ミス等が多くあり、一番の問題点は常に入国者の数が出国者の数よりもかなり少ないという事であった。このあたりの詳しい事情と当時の対処法などについては>添付資料3の「データソースの問題点」を参考にされたい。

94年暮れから95年の半ばにかけては、通常の統計関係の業務に並行して、統計オフィスのスタッフにたいするトレーニングを中心に行なった。この頃にはカウンターパートのチャンターだけで十分日常業務をこなせるようになっていたが、彼以外に十分コンピュータを扱えるスタッフがおらず、彼に続くスタッフの育成が急務であった。

観光統計のデータの質が転機を迎えたのは95年4月頃の事である。内務省側から「我々の渡している数字とそちらの数字が異なるのはどういう訳か」というクレームがつき、一時は婉曲なプレッシャーもかかったのであるが、カウンターパートと内務省側の担当者との地道な交渉の末、これ以降は以前見られたような人為的と思える数字の歪みは見られなくなり、以前のように民間航空協会の数字と照らし合わせて修正を施す事もなくなった。

そして95年12月、カンボディアの表玄関であるポチェントン空港にて、旅行者にたいするアンケート調査を実施。実際に調査を行なうまでには様々な紆余曲折があったが、何とか統計オフィスのスタッフの力で調査を完了できた。この調査の結果は不十分な面も多々あったが、基本的な資料が不足している現状においては貴重なものであった。また、カウンターパート自らが企画をし、実際の調査から分析まで行なったので、今後も同様の調査を続ける足掛かりができたのではないかと思う。

 

2)観光統計業務の概要

現在統計オフィスの主な業務は、内務省の資料を元にした観光統計レポートの作成と、地方の観光省オフィス・民間航空協会などのデータに基づく各種レポートの作成などである。

毎月作成している観光統計の資料は

  1. 毎月の居住国・目的別出入国者数
  2. 居住国別旅行客の対前年比比較
  3. プノンペン〜シェムリアップ間の航空機利用客数
  4. アンコール・ワットへの入場客数 などがある。

レポートは基本的に英語で作成されているが、上層部などから要請があった場合はクメール語でもレポートを作成している。また今後数年間の旅行客の需要予測、それに伴い必要なホテルの客室数の予測なども要請されるが、現状ではデータの蓄積が少ないために一年先以上の事を予測するのは非常に難しい状態にある。なにしろ、基本的な入国者の数ですら93年以前の事はわからず、また93年のデータは苦労して修正を施した信頼性の低いものであるから、実際にはまだ二年分のデータしか利用できないのである。これらの点は着実にデータを蓄積していく事で解決できる問題であろう。(添付資料 4「観光統計概要」参照

出入国者統計のレポートは、これまで基本的に全てエクセル (MS-EXCEL ver. 5) のみを用いて作成されてきたが、今後は内務省から来たデータを統計オフィスのデータベースに入力して活用していく予定である。この点は、最近ようやく本格的に動きはじめた段階であり、今後私の思惑通りにきちんと運営されていくかどうかはわからないが、今から始めないと将来絶対に苦労する事になるということは十分スタッフに説明してあり、彼らもその点は認識している。

これまではその場その場の活用で終わってしまい、後から予期しなかったリクエストが来た場合にどうにも対処ができなかったのであるが、データベース化しておけばその場では不要なデータも将来の資産として活かす事が可能となる。データベース自体はすでに昨年の暮れに出来上がっており、今年のデータも徐々にではあるが入力が始まっている。問題となるのは今までやってきた方法を変えなければならないという事で、新しい方法が今までの方法よりも優れているという事がすぐにわからない場合、こちらとしては彼らが新しい方法の理解して有効性を実感するのを待たなければならない。

 

3)現状の問題点

観光統計業務にまつわる現状の問題点はたくさんあるが、一番大きな問題なのは他の省庁、特に重要なデータの入手先である内務省との関係である。観光統計の最も基本的な資料となる出入国者数の統計であるが、96年5月現在でも未だに内務省からは紙のレポートとして送られてきている。三年前は空港にも観光省にもコンピュータが無かったのでこれで良かったのだが、現在では空港にもコンピュータが導入され、今では一応出入国カードのデータがコンピュータに入力されている。

観光省としては以前から再三にわたって、なんとか内務省から直接生に近い形でデータを渡してもらえないものかと要求してきたのだが、今のところ観光省側が直接空港のデータにタッチする事は認められていない。単に出入国者の数だけが知りたいのであれば今の状態で問題はないのであるが、こちらとしてはそれ以外のデータ、例えば予定滞在日数であるとか、グループツアーに参加して来たのか個人で来ているのかといった情報がぜひ欲しいのである。しかし、内務省としてはこれらは個人的な情報であるという見解でアクセスする事ができないでいる。もちろんこちらとしては入国者の氏名などの個人的な情報は必要無いのであるが、内務省側としてはこのような情報にふれられるでのはないかという危惧があるようである。

現在観光省でプロジェクトを進めているUNDP(国連開発計画)も、同様の理由で内務省側に情報の公開を求めたのであるが、結局この点は諦めてしまったようである。当初今年のプロジェクトの予定では、観光省内に情報を共有するためのネットワーク・データベースシステムを導入する一方、このネットワークを内務省などにも接続する計画をしていた。しかし、内務省側とは相互にネットワークを接続する合意が得られず、情報が欲しければその度に金が必要だと言われてしまったようである。内務省側のコンピュータネットワークを構築したコンピュータの専門家は、データベースシステムには著作権があるのでその使用料を払って欲しいという名目だったのであるが、こちらが必要なのはデータベースではなくてその中のデータなのである。この問題は私にとっては非常に解決が難しく、最終的には双方の大臣、あるいは閣議のレベルで解決されなければいけない問題なのかもしれない。

また、出入国者数以外の観光統計の要素としては毎月の旅行業収支、つまり観光でカンボディアに入って来るお金と出ていくお金 (Tourism Revenue, Expense) の試算や、旅行客の平均滞在日数 (Length of Stay) の調査、ホテルの稼動状況 (Occupancy Rate) の調査などが必要とされているが、現状ではまだ環境が整っておらず具体的に把握できてはいない。WTO (World Tourism Organization) からはこれらのデータを送るように求められているのだが、役所の内部・外部の問題でなかなか実行に移せないでいる。例えばホテルの稼動状況について言うと、観光省内のTourism Industry DepartmentにあるHotel Administration Officeの協力が不可欠なのであるが、現状では省内の各部署の足並みが揃っておらず実現できていない。このような点はUNDPが導入したMISデータベースがうまく活用されれば解決できる問題であろう。

 

4) 今後の観光統計業務の課題

これからの観光省の観光統計に関する業務で求められている課題には次のようなものが挙げられる。

a) 毎月のホテルの稼動情況の推定

    そのためには観光省のホテル・オフィスが、毎月ホテル側から届けられる宿泊客に関するレポートを正確にデータベースに入力する必要がある。このレポートには宿泊客の国籍や滞在日数が記されているが、この内の一ヶ月間の延べ滞在日数をホテルが一ヶ月に売る事のできる客室数で割る事により、その月のホテルの稼働率を知る事ができる。この数字は、現在のホテルの稼働率はもとより、今後必要となるホテルの客室数を推定する上でも重要な資料となる。

 

b) Total Tourist Night(入国者の延べ宿泊日数)の算出

    この数字の算出には、空港での出入国カードの情報が欠かせないで、現状では実行するのは難しいと思われる。具体的には、一ヶ月間の出国者一人一人の滞在日数を全て合計したもので、旅行業収入やホテルの稼働率などを推定する上で必要となる情報である。四半期ごとにアンケート調査をする事でもある程度の推定は可能であるが、これも現状では難しいと思われる。

c) ベトナムとの国境(バヴェット)からの出入国者数の統計作成

    今年からベトナムとの国境での出入国者のレポートが内務省から来るようになったのであるが、現在までのところ観光統計は今までのようにポチェントン空港での出入国者数のみ作成している。実際にはベトナム経由で行き来しているのはほとんどが地元のカンボディア人及びベトナム人で、外国人の数はそれほど多くはないのであるが、出入国統計を考える意味ではやはりそのまま無視するわけにはいかない。また、将来タイとの国境が開かれる可能性もあり、同様にシェムリアップ・シアヌークビルの空港が国際空港としてカンボディアの玄関になる可能性もある。

 

d) 他の関係省庁と連絡の強化

    観光省にとって最も重要なデータ・ソースである内務省はもちろんの事であるが、それ以外の統計を扱う省庁との一層の連絡の強化は重要である。具体的には大蔵省や計画省 (Ministry of Planning) の国立統計局 (National Institute of Statistics: NIS) 等があり、特にこの中でも国立統計局との連携は重要である。国立統計局はカンボディアの統計資料を一括して活用する立場にあり、スタッフの中にも統計に関する見識の深い人が多い。私のカウンターパートは個人的に各省庁の統計業務の担当者と親交があり、以前から各省庁の担当者を集めて勉強会のようなものを開けたらと話していたのだが、横のつながりの薄いカンボディアではこのような場が設けられる事は非常に大きな意味を持つものと思われる。

この二年半の間に、カウンターパートの努力もあって以前からすればそれなりの統計資料を作成できるようにはなったが、まだまだ国際的な水準までは遠く及ばないのが現状である。上に挙げたような今後の課題を一つ一つクリアしていくためには、また気の長い地道な努力の積み重ねが必要となる。

統計業務というのは実に地味な仕事であり、日頃の努力の割には報われる事の少ない業務でもある。また、統計を必要とする人は、その時になって初めて統計の必要性を実感し、ふだんはそのような事にはとかく無関心である。このような業務を義務感を持って進めてくれるスタッフがいるという意味では、観光省は実に恵まれていたと言えるであろう。統計の環境を整備するためには時には大きな力も必要であり、私がそのような立場になれなかったという事は少々残念である。しかし、カウンターパートが着実に力をつけて、近い将来彼ら自身の点でこれらの問題を解決できるようになると考えている。

 

2 ポチェントン空港におけるアンケート調査

1)調査概要

この調査の主な目的はは、カンボディアを訪れる旅行者の基本的な動向、およびカンボディアにおける観光収入を推定するためのサンプルを得る事にある。

現時点では、ポチェントン空港(カンボディアへの表玄関)における出入国カードおよびそのデータベースは内務省の管轄にあり、個人の細かいデータに直接アクセスができない。このため、旅行者の性別、平均年齢、主な経由地といった基本的なデータさえも得る事ができず、観光業の現状の把握、そしてこれからの動向の分析もままならないという状態が続いている。この調査は、これらの基本的なデータを、アンケート調査のサンプルから推定し、現状の把握と今後の動向の分析に使おうというのが狙いである。

本来であれば、このような調査は毎月、あるいは四半期毎に定期的に行なうべきなのであるが、まだ統計オフィス (Statistics Office, Planning Department) 独自で調査を行なった実績も無く、観光省の上層部の理解がなかなか得られないために実施までには様々な紆余曲折があった。当初11月にポチェントン空港での調査を予定していたものの、結局実際に調査が行なえたのは12月の中旬からであった。

昨年(1994年)の調査はあくまでもUNDPが主導であり、質問紙の作成からレポートの作成までほとんど専門家の独力で行われてしまったため、実務のカウンターパートへの移転が十分行われなかったという問題があった。そのため今回は、カウンターパートのチャンター (Mr. TITH Chantha) を中心にして調査の立案から実査、分析までを行ない、私は基本的に裏方に徹してアドバイスを与えるにとどめた。

またアンケートの集計にはデータベースソフトのアクセス (Microsoft Access ver.2) を使用した。この時質問紙の項目を元にテーブルのフィールドを作成し、スタッフが入力しやすいように簡単なな入力用のフォームを作成した。これらの作業は統計オフィスのスタッフのロッター (Mr. EK Rotha) やティー (Mr. Monh Ty) が中心になって行ない、私はその作成にあたってサポートとアドバイスを行なった。

2)調査期間および調査方法

調査期間は1995年12月18日より12月30日までの、延べ13日間。調査時間は原則として朝の始発便より、夕方の最終便の出発までであったが、実際の運用においては、空港へのスタッフの送り迎えの問題などがあり、おおむね朝八時より夕方六時前後という事となった。

実際の調査にあたったのは、観光省の統計オフィスのスタッフ六人で、この六人が全調査期間を通して実査(実際の調査)を行なった。調査場所はカンボディアの表玄関であるポチェントン空港の出発ロビーで、チェックインを終えて飛行機の出発を待っている乗客にたいして用意してあった質問紙を手渡し、調査への協力を依頼した。形式的には、一対一の面接調査に近い場合もあったが、基本的には回答者からの質問があった場合に説明するにとどめ、記入は旅行者本人に行なってもらった。

質問紙はA4の用紙一枚で、ページの一面に質問項目をまとめた。これは質問項目が多すぎたり、あるいは質問が複数のページにまたがった場合、回答ミスが増えて有効回答が減る事を危惧したためである。また、質問紙に使われる言語は旅行者の便宜を考え、英語、フランス語、日本語、中国語の四か国語を用意した。(添付資料 5、6「アンケート調査用紙」参照)

 

3)調査結果および分析

調査によって集められた回答数は1081件。これらのうちで次のような回答は無効回答として除外した。

約三週間かけて、翌年一月下旬に全てのデータの入力が終了。その後、上記の条件によってデータのスクリーニング(サンプルの振るい分け)を行ない、その後のデータの分析、及びレポート作成には、主にエクセル (Microsoft Excel ver. 5) を使用した。

主な結果については添付資料 7「アンケートの結果及び分析」を参照されたい。

 

4)調査上の問題点と提言

今回の調査を振り返ってあげられる問題点には次のようなものが挙げられる。

a) 調査計画の詰めが甘く、下準備を十分に行なう事ができなかった

このアンケート調査自体は昨年初めのうちから計画しており、当初の予定では11月に約二週間にわたって行なうはずであった。それに向けて私とチャンターが中心になって質問紙の準備をし、四ヶ国語の質問紙の作成、大まかな調査計画の作成などは10月の時点でほぼ完了していた。

しかし、11月に入っても上層部から調査に必要な予算がいっこうに下りてこず、空港での調査にあたるスタッフの移動用の車両の確保もままならない状態が続いた。これはひとえに、上層部がこのような調査の必要性を認識していなかったためで、カウンターパートのチャンターが繰り返し説明したにもかかわらず、終始調査をしたければ勝手にすれば良いという態度であった。

特に進展の無いままに12月になってしまい、このままでは今年中に調査を行なう事は難しいと判断し、苦肉の策で、簡略化した質問紙の配付を旅行代理店やホテルに依頼する方針に変更しようと計画した。回収率は大幅に低くなることが予想され、データの信頼性も落ちる事はこの際仕方が無いと覚悟し、質問紙の変更も行なった。

ところが、12月6日、UNDPのプロジェクトマネージャーのジョン (Mr. John Enright)がこの調査に興味を示してくれ、観光省から予算が出ないのであればUNDPで最低限補助をしてもいいという申し出があった。ここで指す予算とは、食費および手当てとして調査を行なうスタッフ一人一日当たり5ドル×6人×13日で390ドル。この他にボールペンやファイルを挟むホルダー、空港立入用ID発行手数料などを含めて500ドル弱の事である。UNDPとしては、プロジェクトの一環として観光業による歳入を算出するためにこのような調査が必要であったため、調査に必要な費用を肩代わりしてくれたのである。

観光省からの最終的なゴーサインが出てから実際の調査に入るまでの猶予期間が、わずか十日ほどしかなかったため、この間の準備は非常に慌ただしいものにならざるを得なかった。このためサンプルの抽出方法、調査終了後の分析方法などは曖昧なままに調査に入らざるを得ず、詳しい調査仕様書も作る事ができなかった。このため、質問項目見直しのための予備調査も行なえず、結果的に分析の段階で苦労する羽目になってしまったのが悔やまれる。

 

b) 質問紙の回答欄で、選択式にするべき項目が多かった。

今回の質問紙のいくつかの質問項目において、詳しい説明無しに自分で記入するべき欄を設定したために、当初予想された答えと違う、あるいは無効回答が非常に多いという問題が発生した。具体的には、まず質問紙の3番の職業の欄で、各種の言語でいろいろな答えを書かれたため、コンピュータへの入力と分析の段階で非常に苦労させられる羽目になった。

また6番・7番の前の寄航地、次の目的地についての質問では、バンコクやホーチミン経由と書くべきところを、パリ、東京、ロンドンなどと書く人が非常に多かった。この質問は、プノンペンに直接乗り入れしている空港の名前を提示して、その中から選択してもらうようにするべきであった。

 

c) 個人旅行かパッケージ旅行か区別する質問が無かった。

    今回作成した質問紙では、パッケージツアーに参加している人にはa)の項目、つまりパッケージツアーの料金、買い物その他の費用を答えてもらい、個人で来ている人にはb)の項目、宿泊費、食費、交通費などを記入してもらうことを意図した。しかし実際には、パッケージツアーの料金が書いてありながら宿泊費も記入してあったり、パッケージツアーの料金としては異常に安い金額であったり、あるいは同じ項目を重複して書いてあったりと、回答結果に問題が多かった。やはり素直に、パッケージツアーで来ているかどうかは別の質問を設定し、支出項目は別に記入するようにするべきであったろう。

 

d) 質問紙のスクリーニング基準が曖昧であった。

    本来有効回答をふるいにかけるための基準は、実際の調査(実査)が行われる前に厳密に設定されているべきである。しかし、今回の調査の場合、実査の前の予備調査が行なえず、実査でどれぐらいの質問紙が有効回答として使えるかまったくの未知数であった。こちらとしては限られた時間でできるだけ多くのサンプルを得たいという思惑があるので、結果的にデータベースへの入力が終わった質問紙の中からこれは使えないという条件をあぶり出し、それをスクリーニングの基準にするという方法を取る事となった。この点に関しては、時間のあるうちにもう少しカウンターパートとディスカッションをして話を煮詰めておくべきであった。

    次回の調査では、コンピュータへの入力を行なう前の段階で質問紙のチェックを行ない、有効回答のみをコンピュータへ入力するようにするべきであろう。そのためには、調査計画を立案する時点でふるい分けの基準を確定しておき、実査が全て完了した時点で、集まった質問紙を見て基準の再検討をする必要があると思われる。また、この段階でスペルミスや重複した表現などのチェックを行なえば、コンピュータへの入力が終わってから該当する質問紙を探して内容をチェックするという手間を省く事が出来る。

 

e) コンピュータへのデータの入力ミスが多く、それをフォローする態勢が整っていなかった。

    今回コンピュータへの入力を行なった統計オフィスのスタッフは英語があまり堪能ではなく、そのために回答に表れる様々な紛らわしい表現、例えばオランダの事をHolland, Dutch, Netherlandsなどと複数の表現で書かれているものをすべて別々の国の名前として入力してしまったり、国籍の欄にBritishと書かれている場合に国の名前であるUnited Kingdomに置き換えができなかったりという事があった。

    職業の欄にも様々な意味不明の単語の羅列が並んでしまい、結果的にそれらを関連する項目へまとめるのはかなりの苦労であった。正直に言って、実際に入力を行なうまでこのような事態になるとは想像ができず、事前に入力用のマニュアルを作るなどという考えは思いもしなかったのが悔やまれる。この問題への対処としては、質問の回答を極力選択式として、あてはまる回答をチェックするのみとする事が一番早道であろう。この場合、選ぶべき回答項目の取捨選択が重要で、これを誤ると重要な情報がそっくり抜け落ちてしまう事にもなりかねない。いずれにしても実査前の予備調査は大事である。

f) 分析および報告書の作成をほとんどカウンターパート一人で行なってしまい、他のスタッフに十分な技術移転が行なえなかった。

    今回は集計した質問紙のコンピュータへの入力と入力内容のチェックで時間をとられてしまい、実際の分析に取り掛かれたのが一月中旬となってしまった。UNDPからは何としてでも一月中に報告書をまとめて欲しいという要望が強くあり、このため私とカウンターパートで必死になって分析を行なわざるを得なかったのである。

    この場では私は極力直接手は貸さないようにして横で見守り、チャンターのデータの分析上の疑問に答えたり、報告書のまとめ方についてアドバイスをするのにとどめた。このため彼も時間に終われて必死であり、実際には他のスタッフにたいして指導を行なう余裕はなかったものと思われる。この点に関しては、今後、実際に何度も調査を行なって実績を積むよりないであろう。

最後に、次回のアンケート用の質問紙の案を添付資料 8 「アンケート調査用紙 96年度用」として提示する。この質問紙は今回の反省を踏まえ、直接記入すべき項目を極力少なくしたのだが、実際の運用においては当然予備調査を行なって内容を確認する必要がある。

 

3 MISデータベース

1)MISデータベースの概要

MIS (Management Information System) データベースの導入は現在UNDPが観光省において進めているプロジェクトで、その概要は観光省にデータベース・サーバー (Compaq, Pentium60MHz 16MB RAM, 1GB HD) を設置して各部署の情報を一元管理し、内務省や他の省庁などともネットワークを接続してデータ資源を有効活用していこうという計画である。

この他に観光省のサーバー・コンピュータと他の省庁のサーバー・コンピュータを郵電省のマイクロウェーブ回線を通じて接続する計画があるが、今回のプロジェクト(六月まで)でそこまで達成するのは難しいであろう。

今回のプロジェクトで実際のシステムの設計とスタッフにたいするトレーニングを行なっているのは、オーストラリア人のシステムエンジニアであるスティーブ (Mr. Stephen Gilbert) で、彼がとった手法は次のような流れになっている。

  1. WTOのリクエストに沿ってMISシステムの枠組みを設計
  2. それに合わせてMS-ACCESSでデータベースを試作
  3. コンピュータがある程度使えるスタッフを対象にアクセスのトレーニング
  4. アクセスをマスターしたスタッフが実際の個別のデータベースを作成
  5. 個別のデータベースをひとつのシステムに統合し、クライアントマシンを各部署に配置

彼の手法で特筆すべきは、データベースの作成を、全てではないにせよスタッフ自身が行なっている点である。このような場合往々にして専門家自身が全てを一人でやってしまい、出来上がったものを渡して終わり。結局そのまま使われていないという事になりがちである。けれども今回の場合、スタッフ自身が少なくとも自分が手掛けたデータベースのモジュールについては内容を把握しているので、今後仕様の変更が求められた場合にある程度は対処する事が可能となる。

 

2)現在のMISシステムの導入状況

五月中旬の時点で、アクセスによるデータベースの作成は全て完了し、省内のネットワーク・ケーブルの敷設と各Departmentへのクライアント・コンピュータの設置も終了した。各DepartmentのスタッフへのMISデータベースの使い方の講習会も終わり、現在はそれぞれのコンピュータでMISデータベース・システムを使ってみて試している状況である。現在まではネットワークもきちんと稼動している。

問題はこれ以降で、往々にしてせっかく作られたシステムが忘れ去られて、ただの文書作成用のマシンになってしまうことがある。データベース・システムは当然の事ながらデータを入力しない事には意味をなさないので、 MISが有効に機能するかどうかは、これからの業務の一環に組み込まれるかどうかにかかっていると言える。

 

3)運用に伴い表れるであろう問題点

実際にMISシステムが運用されていく上で、この先様々な問題が出て来る事が予想される。予想される問題には次のようなものが挙げられる。

a) 観光省側の要求するデータ・システムの変更に対応できない

    MISシステムの使用の大枠は、基本的にWTOの提示するガイドラインに従っており、それを観光省の求めるものとの折り合いをつけた形で出来上がっている。しかし、実際に業務に運用されるようになると、業務の実情に合わせて様々な注文がつけられ、仕様の変更を求められる事は間違いない。この場合、MISの仕様はコンピュータ・データベースのフォーマットに則っているので、それ以外の情報はコンピュータに入力しても意味はないと上司に説得できるかどうかは微妙な問題である。また、どうしても必要に迫られてシステムを変更する場合、これまでMISの作成に関わってきたスタッフ達の一層のトレーニングを積まない限り、彼ら自身でシステムをいじるのは難しいであろう。

 

b) サーバー・コンピュータのシステム管理ができない

    ネットワーク・サーバーに使われているOSは英語版のWindows NT 3.5で、当然の事ながらシステム管理者による各種のメンテナンスが欠かせない。具体的にはユーザーの管理、不要なファイルの削除、データのバックアップなどは最低限必要である。しかし、現状ではそこまで対応できるスタッフがおらず、外国人以外にシステム管理を行なえるものがいないのである。システム管理者の養成にはかなりの時間がかかるので、手遅れにならないうちにしっかりしたシステム管理者を養成する事が急務である。

 

c)クライアント・コンピュータの各種のトラブルに対応できない

    個々のクライアント・マシンのメンテナンスも大きな問題である。コンピュータを使えるスタッフはたくさんいるが、何かトラブルが発生した場合に対処できるスタッフはまだまだ限られているからである。トラブルには単純なものから深刻なものまでいろいろあるが、特にウィルスの混入などは大きな問題となる可能性がある。カンボディアでは各種のコンピュータ・ウィルス(特にMonkey, Anti-Exeなどのブートウィルス)が蔓延していて、フロッピーディスクを通して観光省のコンピュータもかなりの被害にあった経験がある。

    上の問題と同様、解決のためには一刻も早くシステム管理者を養成する事が必要である。

 

d) MISシステムが使われない

    これを言ってしまったら身も蓋もないのであるが、半年も経ったら誰もMISの事など覚えていないという事も十分考えられる。作って作りっぱなしではこのような事態を招いてしまうので、今後彼らの業務に活かせるようにしっかりと継続的にサポートしていく事が必要である。また、各部署の部長・課長クラスへの説明も欠かす事ができない。

 

4)MISシステムの効果的な運用

MISシステムが効果的に運用されるためには、当然の事であるが、MISシステムが業務の一環に組み込まれる必要がある。観光省の日常業務においてMISシステムが無くてはならない存在になれば、運用における様々な問題点は自ずと解決されていくはずである。

現在導入段階にあるMISシステムが日常業務に必要な道具として認識されるためには、MISシステムによって何ができるのか、業務にどれだけ役に立つのかという事を継続的にアピールしつづける努力が必要である。MISによる情報の共有の優位性が発揮されるためには、その前の段階として現在散在しているデータをデータベースに入力しなければならないという大きな問題がある。

この段階で根を上げられてしまうと、いくら便利さをアピールしようにもその段階に達する事ができない。そのため、データの入力を継続する間も、折りを見て使用者にたいするプレゼンテーションが必要となってくる。そういう意味では、これからの半年間がMISシステムにとっては大きな正念場であると言える。

 

4 UNDPによるコンピュータ・トレーニング

1)トレーニングの概要

UNDPによるコンピュータ・トレーニングはMISシステム導入の一環として行なわれた。

期間は第一回目が三ヶ月間で、95年11月13日より96年2月15日まで。クラスは初心者クラスが二クラスに上級者クラスが一クラスで、私が初心者クラスを担当、上級者クラスはUNDPのスティーブが担当した。一クラスの生徒は七人で、トレーニングに使用したコンピュータは七台で一人に一台ずつであった。

その後2月26日から4月5日までは初級者クラスの生徒14人の内の5人を選び、アクセスの基本的な使い方のトレーニングを行なった。この間に上級クラスは基本的なアクセスの使い方をマスターし、実際にMISデータベースの作成に取り掛かった。

また3月25日から4月26日までは、観光省の地方のオフィスのスタッフにたいする基本的なコンピュータの使い方のトレーニングが行なわれた。このクラスはコンピュータ・トレーニングを受けたスタッフが先生役として指導をし、私は彼の授業のサポートを行なった。

これら一連のトレーニングで、合計28名のスタッフが課程を終了した。

 

2)トレーニング内容とその効果

第一回目のトレーニングで行なった課題の内容は次の通りである。

 

3)今後の観光省におけるコンピュータ・トレーニングのあり方

これからの業務を考えていく上で、今後もスタッフにたいするコンピュータ・トレーニングを継続していく事は重要なのであるが、どのようなスタッフにたいしてどのような内容でトレーニングを行なうのかは非常に大きな問題である。

と言うのも、カンボディアの流儀として、特定の人が一人だけ突出して恩恵を受ける事を良く思わないという問題があり、その結果として全員のレベルアップを考えるあまり、いつまで経ってもスペシャリストが育たないという場合がある。あまり特定の個人にエネルギーを集中しすぎてしまうと、その人が職場で浮いてしまったり、他のスタッフから妬まれたりといった事が起こってしまうのである。

しかし、だからと言って、スタッフ全員がコンピュータを扱える必要があるのかと言えばそんなことはない。現状でのコンピュータの使われ方は業務上での文書の作成がほとんどで、これなら特別なトレーニング無しでもある程度は使う事ができてしまう。それよりも、今、観光省や他の省庁で必要とされているのは、ただコンピュータを使えるだけではなく、ソフトウェアやハードウェアの仕組みがわかり、トラブルに対処する事ができて、コンピュータを使って仕事を変えていく事を提示できる人なのである。

観光省においては、今後もTraining Departmentなどから一般のスタッフや、地方の観光省のスタッフにたいする初歩的なコンピュータの授業を行なって欲しいというような依頼がくるであろうが、このレベルのトレーニングであれば十分観光省のスタッフが教える事ができるのである。問題になるのは教材と授業の進め方だけで、それさえきちんとフォローできれば、一ヶ月間で十分コンピュータを使えないスタッフを使えるようにする事ができる。

それよりも今必要とされているのは、自信を持って他のスタッフにコンピュータの事を教える事のできるスタッフの育成、そして、ネットワークの管理やデータベースの構築のできるスタッフの育成である。

前にも述べたように、現在はシステム管理ができるようなスタッフはいない。また、そのための部署もないので、今後どのようにしてこのような管理者を育てていくかは工夫を要するかもしれない。一番順当な方法は、統計オフィスをシステム管理の中心として位置付け、見込みのありそうな他の部署のスタッフも巻き込んで集中的なトレーニングを行なう事である。ただ、他の部署も巻き込む場合、これまでの例からして上司の了解を得るにはそれなりの苦労が伴う事が予想される。

今まで観光省でコンピュータのトレーニングを行なってきて感じる点は、もちろん個人差はあるにせよ、コンピュータを使う必要性に迫られている人は、特に教えなくともそれなりに使ってしまうが、そうでない人はいくら教えてもすぐに忘れてしまうという事である。今後のコンピュータ・トレーニングを行なう上でも、対象となるスタッフの背景をしっかり把握する事は重要である。コンピュータをマスターしたら辞めてしまうという事もあるし、マスターしてもコンピュータは触れない環境にあるかもしれない。このあたりの見極めを誤ると、単なる独り相撲で終わってしまう可能性が高い。システム管理をできる人間がしっかり根をおろせるように育てあげるには、今後も地道なトレーニングを忍耐強く続けていく必要がある。同じ事を五回や十回ぐらいはくり返し教える覚悟は必要である。

 

2 業務上の問題点と提言

1 カンボディア全般の問題

観光省だけに留まらない、カンボディア全般にわたる問題点には次のようなものがある。

 

2 観光省内部の問題

これも観光省に限らず、またカンボディアに限らない事であるかもしれないが、業務上の問題で他の部署と連携して業務を進めていく事が困難である。例えば、業務上の必要性があってホテル関係の資料が必要になったとしても、それが実際に手に入るまでにはいろいろと大変である。また、業務上必要な書類のコピーが総務で取る事ができなかったりする。

これは特定の部署で努力してどうなるものでなく、観光省の指導者層が現状を改善するために指導していく必要があるであろう。

 

 

観光省で仕事をしている私としては辛い言葉であるが、よく人から「観光省ではいったい何をしているのかさっぱりわからない」、「観光省というのはいったい何をする役所なのですか」聞かれる事がある。このような疑問はたしかにそのとおりで、タイを初めとする他の国の組織と比較するとまだまだ未熟な点が多く目についてしまう。実際に旅行者が情報を求めて観光省を訪れても、無料の地図は置いていないし、ホテルを予約する事もできないし、そもそもどこで情報を聞いたらいいのかわかりにくい。このあたりの業務を行なっているのは現在のところポチェントン空港内の案内所のみで、市内にはまだいわゆる観光案内所が無いのである。

では、観光省では主に何をしているのかと言われれば、ホテルやレストラン・旅行代理店の登録、観光開発のマスタープラン作り、ガイドへのライセンス発給とトレーニングなどである。統計関係の業務ももちろん含まれる。海外へのプロモーション活動や、旅行者への支援体制の充実は後手後手に回っているのが実情である。

観光省内部の業務の改革を進めるのが最優先されるのは仕方の無い事としても、政府が観光立国を目指すと言っている以上は、旅行者にたいする支援体制を充実させていくのは急務である。具体的には、観光地での案内の充実、ツーリスト・ポリスの設置(盗難届けをスムーズに発行してくれるだけでも可)、インフォメーションでの情報の無料提供などが現在必要とされている。これからは情報をただストックするだけでなく、外へ向けて積極的に開放していく事が必要である。

 

3 まとめ

    私が同僚の尼崎さんと赴任した93年12月は、まだ総選挙とUNTACの引き上げの混乱が続く真っ最中であった。それから二年半、プノンペンの様相は大きく様変わりした。車やバイクが二倍近くに増え、川辺の公園がきれいに整備され、大きなホテルが次々と建築された。

    観光省での仕事はどうかと言えば、ある程度は進歩があったものの、本質的にはそれ程変化が無いとも言える。私が観光省に赴任する当初、唯一の目標としてあったのは「信頼できるデータを得られるようにする事」であった。しかし、結局私の任期中ではこの問題を完璧にクリアする事はできなかった。正確なデータを手に入れるためにカウンターパートは私以上に努力してくれたが、目の前に立ちはだかる内務省の壁は厚く、様々な試みの内で成功したのは入国者の数の不自然な少なさが改善されたのと、国籍別であった資料が居住国別に変わったぐらいである。

    これ以外の点、例えば統計業務におけるコンピュータの活用などは何とか根付く事ができた。まだまだ複雑な分析などは行なえないが、来年の入国者の数を推測する程度の事はできるようになり、上層部からの様々な統計的な質問に対応する事ができるようになりつつある。しかし、WTOの提示する標準的な観光統計で必要とされる情報の幾つかは、まだ白紙で出さざるを得ない状態である。

    また統計関係以外の業務については結局ほとんど手をつける事ができなかった。プロモーションオフィスの業務などは、日本語が必要という事からいろいろなサポートは行なったが、これはあくまで実務レベルでの直接的なサポートで、現在も継続的に行なわれているわけではない。当時はフランス系の優秀なアドバイザーがいて、どちらかと言うと彼個人にたいするサポートというニュアンスが強かった。

    私が観光省での仕事の上で基本的にとった姿勢は、なるべく自分の姿を前面に押し出さないという事で、内務省との交渉も、業務における上司との交渉も、直接行なったのは基本的に全てカウンターパート自身である。観光統計資料の作成やアンケート結果の分析も、サポートはしたにせよ実際に行なったのは彼らであった。私が行なったのは業務上の問題にたいする相談、新しい方法の提案、彼らが持っていない技術にたいする助言と指導だけである。そのためUNDPのエキスパートのような各種のレポートの作成はほとんど行なっていない。それよりも、給料が安いと嘆くスタッフの愚痴を聞いたり、自分の能力を活かせないと退職を考えるカウンターパートを仕事に引き止めるような事に時間を使っていた。

    私が外国人という特権を使って頭越しに交渉を行なったり、もっと積極的に業務の改善を進めていれば、あるいは今よりもずっと業務内容は改善されていたのかもしれない。ただ、赴任して一年目の頃に感じていたのは、外国人が急いで仕事を進めて見掛けは良くなったとしても、それがスタッフの間に定着しなければ何も変わらないという事であった。そのためこんな回りくどい方法をとったのだが、今思えば自分の方法論にあぐらをかいていたと反省すべき面もある。このあたりの再評価は、後任の今泉さんと数年後の観光省にお願いするしかない。

    最後に、業務上、業務外を問わず、私の事をサポートしてくれたたくさんの人達に心から感謝したい。カンボディアでの二年半では様々な国籍・性別・職種の人達から実にたくさんの事を学ばせていただいた。その中でも一番感謝したいのは、やはりずっと一緒に仕事をしてきたカウンターパートとスタッフ達である。彼らがいたからこそここまで続けてこられたというのが率直な気持ちである。残念な事にカウンターパートは今研修中で直接感謝の気持ちを述べる事はできないが、彼の仕事にたいする真剣さと努力には本当に頭が下がる思いである。ここでの任期はこれで終了するが、今後も何らかの形で彼らへの支援が続けられればと思う。そして、どこからかはわからないにせよ、彼らの今後を見守りつづけていたい。

    以上 文責 星 清隆

    1996年5月25日