ボージョレ・ヌーボーの事、知ってます?

 今や秋の風物詩となった『ボージョレ・ヌーボー』。でも待って?ボージョレ・ヌーボーってどんなワインか知ってます?新酒のワインはみんなボージョレ・ヌーボー?ボージョレ・ヌーボーって赤しかないの?なんで11月第3木曜日に解禁になるの?大体ボージョレ・ヌーボーの名前の意味って何???などなど知らない事がいっぱいありますね!!では、そう言った疑問を一つずつ解いていきましょう!!

 そもそも、ボージョレとはフランスブルゴーニュ地方の中にある一つのワイン生産地区の名前。要するにこのボージョレ地区で作られたワインは赤でも白でもロゼでもみんなボージョレです。とは言え、何でもかんでもボージョレかと言ったらそうでもなく、フランスの農産物(ワインは葡萄から出来るので農産物とされます)を保護する法律『A.O.C.』で決められた葡萄、作り方などを守ったものだけが『ボージョレ』を名乗る事が出来ます。近年、スーパーなどの店頭でよく聞かれる『ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーボー』は、このボージョレ地区の中の北部にある限られた39の村(ヴィラージュ)で造られたワインだけが名乗る事が出来きます。さらに細かく選ばれた10カ所の村はワインにその村の名前を付ける事が出来ます。そうですねぇ、お米で例えると、ボージョレが『新潟県米』ボージョレ・ヴィラージュが『魚沼産米』村名ワインが『魚沼産コシヒカリ』みたいな感じです(よけいわかりにくいかな???)。でも、普通のボージョレ・ヌーボーも大きな酒屋さんに行くといろんな種類がありますよね?これは造った人によって色々なボージョレ・ヌーボーがあると言う事です。これも簡単に言ったら『松井さんが造ったボージョレ・ヌーボー』とか『中田さんが造ったボージョレ・ヌーボー』って感じでボージョレ地区に作り手は約300人いると言われています!みんなそれぞれ個性を出しているのでこの中から美味しいのを探すのは大変ですね・・・。ちなみにボージョレ地区の赤ワインは『ガメィ』と呼ばれる葡萄から造られます。
 では、ボージョレの白ワインがあるって事は、ボージョレ・ヌーボーの白ワインもあるのでしょうか?実は無いんです(期待した人はごめんなさい)。ほとんどの方は知っていると思いますが、ヌーボーとはフランス語で新しいの意味で新酒のワインには他にも『プリムール』(旬の野菜、果物の意味)などとも呼ばれます。このプリムールやヌーボーと呼ばれるものを先にでてきた『A.O.C.』で決められたワインに付けるには、またその中からそれに従ったワインにしか付ける事しか出来ません。ボージョレ地区では、赤とロゼがヌーボーもしくはプリムールを名乗り販売することが出来ます。ですからもしかしたら現地では、『ボージョレ・ロゼ・ヌーボー』やボージョレの付いていない白のヌーボーなんてのもあるのかも知れませんね(日本には入ってこないでしょうけど)。しかし最近ではボージョレではない、『ヴァン・ヌーボー』と言うのが多く輸入されているようです。このヴァン・ヌーボーというのはいわゆるテーブルワインで造られた地域などをラベルに記載する事は出来ません。しかし、お値段は手頃(7〜800円位)で赤も白もあり、また解禁日など無いのでボージョレ・ヌーボーより早く楽しめるというメリットもあります!!
 では、ここで解禁日というのがでてきたのでこれについて。この解禁日というのは1951年に11月15日を解禁日にすると言う事でフランス政府の公式発表で決まったそうです。でも最初は11月11日だったそうです。ボージョレ地区で収穫された葡萄が一番早くワインになるのがこの日前後だったようで、元々ワインの出来映えを見るのにそのワインを飲まれたそうです。そして、この11日というのは『聖マルタンの日』という聖なる日だったので調度良いと言う事で決めたそうです。しかし、その後11日は無名戦士の日(第一次大戦終戦記念日)に変更になってしまい、聖なる日では無くなってしまったので次の聖なる日、15日の『聖アルベールの日』に移したそうです。しかし、これも問題があり15日に決めてしまうと土曜、日曜日などと重なってしまう年もあり、出荷が遅れたり、売り上げが落ちてしまう(フランスでは日曜日はお店はお休み)ので1984年に毎年、11月の第3木曜日と言う事でこれもフランス政府が正式に決定しました。その後、交通機関の発達によりフランス全土でこの新酒を誰が一番早く飲むか競うようになり、そして時差の関係で日本が一番早く迎えると言う事で日本に広まったんですね。
 本当はもっと簡単に語ろうと思っていたら、どんどん長くなってしまいました・・・。でもそれだけ奥が深いって事でもありますね。

 

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