2006年08月28日(月) 編集

堀尾@阿佐ヶ谷ヴィオロン
- 週末友人のライブを聞きに行く。今日は歌入り。また朝まで飮む。歸つて寐て起きて、一日何もしないで過ごす。
- 正字正假名文庫に置いてあるPDFデータを纏めて、册子の形にしてみた。
- 假名遣意見(PDF:750KB)
- 正字正かなでの組版について - kzhr's diaryに對する、私なりの囘答でもある。
コメントへの返事
此方に書きました。
>平頭通さん
册子はまだ試作品でもありますので、ごく少數しか作成しませんでした。手元にはこの寫眞の分だけしかありません。もし手つとり早く入手したいのであれば、茲のPDFデータを用ゐてオンデマンドで製本して貰ふ方が確實でせう。そのかはり割高ではありますが。
もつと安く出來る處がないか檢討してゐますので、見つかれば秋口にでもまとまつた數の册子をまた作る積りです。
>karpaさん
日記の意圖は了解しました。私の「囘答」と云ふのは、以下の
智識量の勝負となつて、プロの校正者編輯者も把握してゐないのを、さういふのになれない人間がどこまでできるかといふのは、實際にOOoで組版をして苦勞した人間としては、氣になる。
正字正かなでの組版について
と云ふのが念頭にあつて、だつたらそも正字正假名の組版なんてやつた事の無い*1私がどこまでそれを形に出來るのか、そしてそれを實際にやつてみたと云ふ意味合ひとして用ゐてみたのです。
*1:序でに云ふと、知識も伎倆も云はれる程持ち合せてゐる訣ではないのですが。
2006年08月25日(金) 編集
若冲と江戸会画展
上野の国立博物館にて。流石に込んでゐる。伊藤若冲だけの展示ではなくて、江戸時代の樣々な(圓山派、狩野派や琳派の)日本畫が萬遍なく置かれてゐた。
豫備知識なしに見た伊藤若冲は、慥かに私の目にも斬新に見えた。花鳥人物圖屏風や鶴圖屏風での墨ベタの線の勢ひに驚かされる。
鳥獸花木圖屏風は、桝目描きと云ふ技法で描かれてゐる。こんな畫は今迄お目に掛かつた事がない。凄いインパクトだ。たゞ人集りが絶えず碌に繪がみられなかつた。
こゝのプライスコレクションの展示一番感心したのは、「光と絵画の表情」と云ふ特別展示だつた。普通絵画の展示照明には「限りなくフラット」であること
が求められる。しかしこゝでは、舞台に使われるような照明装置を使い、「自然光のように変化し、作品に表情を与える陰影ある光」を実現
すると云ふ。
例へば金屏風を見てゐると、照明が暗くなるに從つて屏風自體が淡く光を發するかのやうに鈍く輝き出す。光を當てたのでは決して出てこない、金そのものの美しい色合ひのやうだつた。この時頭を過つたのは谷崎の陰翳禮讚の文章だつた。この事を云つてゐたのか。屏風は幾つか目にしてゐたけれど、これ迄一體何を見てきたのだらう。
葛蛇玉の雪中松に兎・梅に鴉圖では、まるで夕泥みから、滿天の星が浮かび上がるかのやうな幻想的な光景を目にした。
けふの買ひ物

- 作者: 杉勇
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/01/11
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季刊d/SIGN―事態とメディア、生命の現在を透析するグラフィックデザイン批評誌 (No.8)
- 作者: 戸田ツトム,鈴木一誌
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2004/07
- メディア: 大型本
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これは前々から探してゐた。
*1:思はず壁紙にして了つた。
2006年08月24日(木) 編集
ペルシャ文明展
上野の東京都美術館にて。
- 惹き附けられた鉢や臺附き杯は紀元前三千年代の物だつたりする。當り前のやうに紀元前何千年代の物が展示されてゐるから、時折時間の感覺が狂ふ。かういふ歴史なり文明を扱ふ時、例へば千年單位でしか捉へられない概念と云ふのがあるのではないかとも感ずる。
- 楔形文字が刻まれた碑文を幾つか見る。今迄一種類の言語だけだと思つてゐたのだが、實は三種類の言語が刻まれてゐると云ふのを初めて知る。
- アフラ・マズダーの像を初めて見た。さういへばペルシアはゾロアスターの発祥の地だ。
- 金製のリュトン(酒器)は流石に綺麗だつた。照明を落として、展示室を暗くしてゐるので餘計に映える。
- 御馴染みのササン朝の円形切子碗もあつた。
- 物品店でペルシヤの燒き物を眺める。一つ位買つてみたかつた。
三册讀了

生きていることの科学 生命・意識のマテリアル (講談社現代新書)
- 作者: 郡司ペギオ-幸夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/06/21
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思ひの他すらすらと讀めたのは意外だつた。尤も理解しながらと云ふよりも、對話形式による話の勢ひに乘せられて、あれよあれよと云ふ間に運ばれていつたやうなものである。結局訣が分らん儘だつたりする。
たゞこの本の難しさは、聞き慣れない語彙*1なり、著者の云ふ「マテリアル」や「質料」「スケルトン」といつた概念からきてゐるのではないと思つてゐる。寧ろどこまで問ひ(意識・生命とは何か?)を共有してゐるか、と云つた處に勘所があるのではないか。

スピノザ―「無神論者」は宗教を肯定できるか (シリーズ・哲学のエッセンス)
- 作者: 上野修
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2006/07
- メディア: 単行本
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期待通りの内容だつた。理性と信仰の關はりに就て興味があるので、非常に樂しく讀む。痺れるやうなフレーズが續出する*2。「文法」が出てくるのが流石だ。

ライプニッツ―なぜ私は世界にひとりしかいないのか (シリーズ・哲学のエッセンス)
- 作者: 山内志朗
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2003/01
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ライプニッツは私にとつて、何處か取附端がなかつた。學問のあらゆる分野に就て言及してゐるからと云ふのもあるし、それだけではなく解説を讀むと、實は主著と云へるものがなく、樣々な斷片の中に分散した形で纏められてゐると云ふ。
この本の面白い處は、ライプニッツ哲學の解説といつたところではなく、著者が哲學に抱いてゐる想ひなり、哲學に對する態度の方だつたりする。そこが文章に出てゐてよかつた。著者も、この本は研究書ではなく招待状だと書いてゐる。
2006年08月23日(水) 編集
最近買つた物
讀む當てはなくても本は買ふ。

- 作者: 渡仲幸利
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2001/05/01
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『新しいデカルト』がよかつたので、これも取り寄せた。

- 作者: 大島正二
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/08/18
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『漢字と中国人』の著者だ。

- 作者: 川本茂雄
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 1977/01
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- 作者: 遠藤寛子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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當世風に云へばMathematics Girlか。

- 作者: 鈴木範久
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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日本人のキリスト教受容がどのやうなものだつたのか興味を抱いてゐる。『キリスト教と日本人』や『メイド・イン・ジャパンのキリスト教』も氣になる。

- 作者: 大峯顕
- 出版社/メーカー: 法蔵館
- 発売日: 1990/11/01
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- 作者: 原田和典
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2006年08月19日(土) 編集
讀了

- 作者: 京須偕充
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/06
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數々の心地良い言葉。讀みながら噺家の話振りを聯想した。
しかし不思議なのは、何故これらの言葉がとても自然に感ぜられるのか。兩親は東京の出身ではないし、少なくとも私の身の周りでは、かういふ言葉は、日常的に遣はれてはゐなかつた筈なのだが。私は一體何處でこれらの言葉を耳にしたのか。それとも讀んで覺えたのだらうか。
2006年08月13日(日) 編集

名取洋之助と日本工房展
川崎市市民ミュージアムにて。名取洋之助や土門拳の寫眞を直に見られてよかつた。
『NIPPON』の展示を見て廻つて感じたのは、デザインとプロパガンダの關はりについて。戰爭中だつたからといつた事ではなくて、今現在でも氣になる問題だと思ふ。
あと原節子の魅力を再發見する。
2006年08月09日(水) 編集
2006年08月06日(日) 編集
- 定例會に出席
- 銀座の松屋で買ひ物をして「北川一成 印刷の越境」展を覗く。本を買つて歸る。

- 作者: 深澤直人
- 出版社/メーカー: TOTO出版
- 発売日: 2005/11/10
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2006年08月04日(金) 編集
二册讀了

- 作者: ヘーゲル,牧野 紀之
- 出版社/メーカー: 鶏鳴出版
- 発売日: 2004/02
- メディア: 単行本
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- 作者: ヘーゲル,牧野紀之
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だらだらと一月位かけて讀む。何年か前に岩波の松村一人譯を讀んでゐたけれど、こちらは單なる譯だけではなく、譯者の解釋をもとに原文の文脈に沿つて可成り言葉を補つてゐる*1。ヘーゲルの文章を讀むと、兎角語句に躓きがちになるので、隨分と讀み易くなつてゐるのではないかと思ふ*2。
それだけでなく、譯者による本文の註解が一册づつ別に小册子として纏められてゐる。たゞ問題なのは、茲での譯者の解釋が全く詰まらないと云ふことだつた。眞面目に且つ詳細に書かれてゐるのだけれど、抑ヘーゲル哲學に於いて「解釋」と云ふ事があり得るのだらうか。
あと註釋だけではなく何と問題と解答まで載せられてゐるとは思はなかつた。何か受驗參考書みたいで、「お勉強」したい人には向いてゐるのかもしれない。私はご免蒙るけど。
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○できようか