2005年12月26日(月) 編集
お悔み
デレク・ベイリーが死んだ。
彼の音樂はあまり熱心に聽いてゐなかつたが、昔彼の書いたこの本を、食入るやうに讀んでゐた事があつた。

- 作者: デレクベイリー,Derek Bailey,竹田賢一,斉藤栄一,木幡和枝
- 出版社/メーカー: 工作舎
- 発売日: 1981/11/01
- メディア: 単行本
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2005年12月24日(土) 編集
相田みつを美術館にて
特別展「アインシュタイン日本見聞録」を見る。こゝの展示は割と直ぐに見終へたので、隣の美術館も覗く。「便所の神樣」といつた幾分揶揄を含んだ風評ばかり目にするが、實際のところはどうなのか一度虚心坦懷に見てみたかつたのだ。かういふ機會でもないと見る事は先づないし。
決してをかしな事を言つたり書いてゐる訣では無いのだが、何故か、鼻に附く安手の人生論みたいになつて了ふのかが不思議だ。かういふのは矢張り自分には相容れないと強く感じる。
それから彼の書は、上手に見られまいとしてゐる人の書だと感じた。敢て意圖して、あのやうに書かれてゐる。實際達筆な書を書かうと思へば、造作無く出來たと思ふ。
2005年12月23日(金) 天長節 編集
2005年12月22日(木) 編集
けふの買ひ物

- 作者: 中田功
- 出版社/メーカー: 美術出版社
- 発売日: 1983/10
- メディア: 単行本
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- 作者: 逆井克己
- 出版社/メーカー: 日本印刷新聞社
- 発売日: 1999/09
- メディア: 単行本
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2005年12月19日(月) 編集
買つたり讀んだり

- 作者: 原田和典
- 出版社/メーカー: ロコモーションパブリッシング
- 発売日: 2005/12/20
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JAZZ批評の頃から原田和典さんの文章はよく目にしてゐた。單行本と云ふのは初めてではないのか*1。

- 作者: 養老孟司
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/12/06
- メディア: 新書
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類の無い不思議な本だと思ふ。印刷は精興社。最近の岩波文庫みたいな氛圍氣。

君はレオナルド・ダ・ヴィンチを知っているか (ちくまプリマー新書)
- 作者: 布施英利
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/12
- メディア: 新書
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- 作者: ルネ・デカルト,三宅徳嘉(他)
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2005/06/07
- メディア: 単行本
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解説が養老孟司。かなりのデカルト贔屓だと云ふのがよく傳はる。

- 作者: ゲオルクジンメル,Georg Simmel,川村二郎
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2005/10
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何か昔の岩波文庫を讀んでゐるみたいな氣分になると思つたら、これも本文印刷は精興社だつた。
*1:『元祖コテコテ・デラックス―Groove,Funk&Soul (ジャズ批評ブックス)』が先かもしれないけど。
2005年12月18日(日) 編集
讀了

- 作者: 日本聖書協会
- 出版社/メーカー: 日本聖書協会
- 発売日: 2014/04/01
- メディア: 単行本
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以前岩波文庫の『新約聖書 福音書 (岩波文庫)』を讀んではゐたのだが、一度は新約全體を通讀したいと常々思つてゐた。時間が掛かつたが漸く讀み終る。
*1:そして彼を遣はした者
平頭通
新約聖書だと、使徒行伝はルカ伝の続編だと聞いてゐるので、一度、ルカ伝と使徒行伝を続けて読んでみるのも良いかも知れません。『善なるもの一なるもの』もお持ちのやうですから一言しておきますが、新約外典やナグハマディ文書やヘルメス文書なども興味深いと思ひます。旧約なら偽書のエノク書がお薦めですね。
funaki_naoto
ご教示ありがたうございます。言はれてみれば共通のトーンを感じます。何時讀めるか分りませんが、先に舊約の通讀をする心算ではゐます。プロチノスはまだ讀んでません。
2005年12月17日(土) 編集

「出版の未来、音楽の未来」
和光大学表現文化学科のシンポジウムを聽講する。出版や音樂に就て共に興味があるので、有意義な話が聞けて面白かつた。案の定話は多岐に亘り、中々纏め切れるものではないのだが、今日の話の中ではコンテンツ・マネージメント・システムとインセンティブと云ふ單語がよく擧がつてゐた。これらが編輯者にとつて重要なものになるとの事。
私の印象では、オンライン上にて、この兩者がうまく機能してゐるのが、即ちはてなやウィキペディアではないかと云ふ感を抱く。
行きは驛からの無料送迎バスを利用した。歸りは、バスが無く歩いて行つたが結構な距離がある。どうやつて學生達は行き來をしてゐるのだらう。
[TeX]はじめました。
adobe-japanのコード表から拾つてやつたのだけど、正字體がちやんと出る。之繞の點とかは勿論、「磯」の「人」の上の部分が交るかどうかとか、「非」とか「化」の突出る出ないとか、細かいところまで、殆ど網羅してゐるのではないかと思ふ。
それで、對照表を作つてやれば、完全なる正字出力とかも出來るのでせうね。といふか、既にあつたりするのかな。
「磯」はCID{13643}*1、「化」はCID{13665}、「非」はAdobe-Japan1-4には無い筈。
對照表は旧仮名・旧字変換支援 misimaのmisima 辞書新字-旧字変換対応表(PDF)や、書籍でインクナブラ:Adobe Japan1-4 切り換え漢字字形一覧があります。
尤も私は、misima 旧仮名遣い・旧字変換支援(Ver.2.0)で、テキストを「OTF CID数値参照」變換させて手つとり早く濟ませて了ひます。
それから、フォントは出來れば埋め込んだ方がいゝかもしれません。
*1:「人」の上の部分が交る字體は、明朝體の活字に於いてはそれ程用ゐられてはゐなかつたと思ひます。
nnh
湯湯婆を「湯婆婆」と讀んでしまつた。「千と千尋……」は見てません。
funaki_naoto
慥かに似てます。敢て似せて名附けたのか。私も映畫はまだ見てゐません。
2005年12月16日(金) 編集

TRONSHOW2006
東京国際フォーラムにて。東京大学大学院情報学環・学際情報学府とパーソナルメディアのブースでお目當ての「T書体フォント」*1のデモンストーレションを眺める。
フォントのデザインを云々するだけの見識は持ち合せてゐないが、金文や變體假名のゴシック體つて想像がつかない。
他のブースをぶらぶら覗く。ちつとも意識してゐなかつたが、ユビキタス・コンピューティング環境は存外身の周りにあふれてゐる。凸版や大日本のブースもあつた。
karpa
けふですか。変体仮名のゴシックとは。皆無ではないのですが、明朝であるよりもずつと珍しいものであるやうに思ひます。
funaki_naoto
明朝(や楷書)の變體假名と云ふのも、それはそれで何かそぐはないやうな心地になります。
karpa
楷書が變、といふのは私も同意するところですが、明朝だと、大日本スクリーンの覆刻シリーズや字游工房の覆刻書體を思ひうかべられれば(或は大日本スクリーンの小宮山さんの連載を御覽になるとかで)そこまで變でもない、或は違和のない書體があるといふことを了解いただけるかと思ひます。
funaki_naoto
さう云へばそれを失念してゐました。ご教示有難うございます。
2005年12月14日(水) 編集
讀了

純粋仏教―セクストスとナーガールジュナとウィトゲンシュタインの狭間で考える
- 作者: 黒崎宏
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2005/11
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この本に書かれてゐる内容を一言でいへば「セクストスとナーガールジュナが似てゐる」と云ふ事になるのだが、ではそれがどのやうに似通つてゐるのかを、こゝで改めて述べる能力は私には無い。
先に『私説「中論」』を讀んでゐたので、その流れで滞りなく讀む事は出來た。いきなりこの本だけ讀んでも面喰ふのではないかとも思ふ。
氣になる本

- 作者: BNN編集部
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2005/12/14
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これは買つた方がいいかな。
2005年12月11日(日) 編集
漢字の歴史と書体をたどる―甲骨・王羲之・顔真卿―
書道博物館にて。博物館の學藝員が展示品の解説をして呉れたので、より理解を深める事が出來た。顏眞卿の肉筆があるのは驚いた。
話を聞いてゐて、また一つ自分の勘違ひに氣附く。例へば、楷書をくづしたのが行書、その行書をもっとくづしたのが草書みたいな漠然としたイメージがあつたのだが、それは違つてゐた。
普段目にしてゐる活字はどうしても明朝體ばかりで、その中の字體や字形しか知らない。その他の書體は、全く等閑になつて了ふのだが、矢張り書をもつと勉強しないと漢字は判らないと痛感する。
けふの買ひ物
神保町にて。

- 作者: イヨンスク
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1996/12/18
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- 作者: 江国滋
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1993/01
- メディア: 文庫
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- 作者: 丸谷才一
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1989/08
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シリーズことば読本より。

- 作者: 古沢典子
- 出版社/メーカー: 日本エディタースクール出版部
- 発売日: 1979/09/05
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- 作者: 小野二郎
- 出版社/メーカー: 《リキエスタ》の会
- 発売日: 2001/04
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- 作者: ジェフリー・ペイザント,木村英二
- 出版社/メーカー: 音楽之友社
- 発売日: 1998/12/10
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memo
以前紹介した『日本語のリズム』が文庫になつてゐた。

- 作者: 別宮貞徳
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/11
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2005年12月10日(土) 編集

子供から大人までのクリスマス・コンサート2@小石川図書館
小石川図書館にて図書館を利用する音楽家の会主催によるコンサートを聽きに行く。
昨年と同じくアヤコレットのピアノ彈き語りと守屋拓之のコントラバス。
沁みる。
カナダはモントリオール出身の三人組。何とチャーミングなサウンドなんだらう。
前列に居た子供達にシャボン玉を吹かせたり、紙鐵砲*1を會場の聽衆に配つてステージで一緒に打ち鳴らす。樂しい。
- ワークショップ「おとのおと」
行雲流水の高橋智之の指示によつて、皆で聲を出したり木製の棒を叩いたりした。ステージ上で指示を出す他のメンバーの方々もたいへんみたい。それでも、何か音が揃つて、音樂らしき物が生み出される時間がとても面白い。
一往クリスマスコンサートなので、會場には數多くの子供達が居た。好き勝手に音を鳴らし、叫び、動き廻つてゐたが、それも一興。見てゐて飽きないし。
因みにこの木製の棒はタオル木管と云ふ、絲卷の芯に使はれてゐたもの。クラベスのやうないい音が鳴る。以下に由來を記す。
タオル木管とは…紡績に使う糸が巻かれている芯の部分。
現在使用されているものはほとんどプラスチック製ですが、この木管は桜の木でできています。戦後日本の紡績産業を支えたまさに芯である桜木の木管を、宮崎タオルの社長さん(故人)が収集された貴重なものです。拍子木のような甲高い音がします。
*1:私の知つてゐる折り方と違ふ。
2005年12月06日(火) 編集
最近讀んだ物
本文の假名が妙に癖のある書體*1で、讀んでゐて落着かなかつた。編輯者はどう云ふ積りでこの書體にしたのか、意圖が氣になる。
あと、こゝで取上げてゐる樂曲なりミュージシャンを、私は全く知らなかつた。
116ページに誤植が、114ページに文章を入れ間違へてゐる所がある。
二刷ではちやんと修正されてゐた。
ここで紹介されてゐるアーティスト達を、私はどれも全く聽いてゐないが、村上春樹の文章を讀んでゐると、とても魅力的な音樂だと感じさせて呉れる。直ぐにも聽かずには居られないといつた思ひにかられる。
この種の喚起力を持つ(音樂の)文章の書き手はなかなか居ない*2。
それからJポップに關して言及してゐるのはちよつと意外だつた。
日本のポップスを聴いていると、その歌詞の内容や「文体」にげんなりしてしまって、そのせいで音楽自体を投げ出してしまうケースがかなり多い。
僕はいわゆるJポップの歌詞とか、連続テレビ・ドラマの台詞とか、朝日・読売をはじめとする全国紙の記事文体なんかは、一種の「制度言語」だと常日頃認識している。
それらはあくまで関係者間の取り決め、了解によって成立している一つの制度であって、制度という軸との相関関係によってしか批評できないもの、批評のしようがないものである。自立したテキストとして批評することは不可能に近い。
マーケットの規模はマスだけれど、にもかかわらず質的にはローカルであるという、不思議にねじれた世界だ。
この見方は近田春夫と近いものがある。
2005年12月04日(日) 編集

小旅行
伊豆の一碧湖へ行く。これ以上無い位のよい天氣で、紅葉が實に見事だつた。近所の大室山にも連れて行つて貰つた。一面ススキに覆はれた變な形の山だつた。風が吹いて斜面のススキがそよぐ姿は面白い。猫の背中みたい。強風の爲リフトで頂上まで上る事が出來なかつたのは殘念至極。
富士山はとても大きく見えた。夜は滿天の星空に感嘆してゐた。
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>nnhさん 「原の三劃目の點が拔けてゐる」字形は今昔文字鏡にもありました。割と珍しいものではないやうですね。「石」の字形は五体字鑑にそれらしきものがありました。