2004年01月31日(土) 編集

讀書つれづれ
埴谷雄高『死霊 I*1、II*2、III*3』(講談社文芸文庫)讀了。十年位前に七章まで通讀してゐたが、挫折してほつたらかしにしてゐた。最近文庫になつたのでまた再讀し始めた。ハードカバーだとなかなか手にとれない。
十年前よりは、少し理解出來るやうになつた。それでも読み隨ら頭の中が攪拌されるやうな心持になる。こゝまで人は考へられるものなのかと大いに驚嘆してゐる。
筆者は獨房の壁の向うに無限大をみたと云ふ。私はこの本から無限大を垣間見た。
それから、たしかに形而上を扱つてゐる小説ではあるのだが、思ひのほか文章が面白い。スラップスティックであり、コミカルと言つていゝくらゐではないだらうか。熱に浮かされたやうな、一種狂躁的な語り口など、かなりそこかしこに影響を與へてゐる。
2004年01月28日(水) 編集

奇蹟
サンタクロースの實在も信じない。靴下の中にプレゼントが入つてゐても奇蹟だとは信じない。だが、そんな事より何より、今履いてゐる靴下の中に自分の足が入つてゐる事の方が奇蹟的な事ではないかと、俺が言つても説得力が無いと言ふのならばG.K.チェスタトンが言つてゐる。
「自分がこの世にゐる」と云ふ事がそもそも不思議な事でないかとチェスタトンは言つてゐる。自分をこの世に存在せしめたGodの話をチェスタトンはしてゐて、俺はクリスチャンでないからGodなるものを信じないが、自分を存在せしめた偶然なり何なりは人智の外のものであると認める。
そして、人間が言葉なり何なりで思想を互ひに傳達し、互ひに解る事が出來るのも、やはり人智の外の事であると認める(略)。
『闇黒日記』平成十六年一月二十八日
私も自分がこの世にゐる
ことが不思議だと感じてゐます*1。
*1:そして「言葉がある」と云ふことも。言葉を交し合ふことによつて「解り合ふ」と云ふことも。
2004年01月25日(日) 編集
2004年01月22日(木) 編集
今年最初のオルトフォン・千代田テクノル共催のチャリティ・ コンサートへ行く。 今日のプログラムは、スーパー・アナログ・ディスクによるクラシックの鑑賞會。前半に緩徐樂章(adagio)の特集を、後半はフランクの交響曲(ウィーンフィルにフルトヴェングラーの指揮)を通しで聽いた。
流石に、緩徐樂章を立て續けに六曲も聽かされると、私のやうなクラシック門外漢にはしんどい。何度意識を持つて行かれたことか。しかしこれ程、まどろみ隨ら聽くのに心地良い音樂は他にない。
こんな調子では後半が思ひやられる。ところが演奏が始まつた途端、空氣が一變した。知らない作曲家の知らない曲。ましてや四、五分で終はるどころかたつぷり一時間はあるやうな曲だ。なのに目が離せない。スピーカーから石礫かバーナーから迸る熱風のやうな音が飛び出してきて、眠るどころではない。
何だこれは!
それは、單に音量が大きいとか、矢鱈勢ひをつけてゐるだけの演奏と云ふものではない。ピアニッシモですら、張り詰めてゐる氣を痛い程感じた。
2004年01月17日(土) 編集
けふの音樂
世界宗教音楽ライブラリーの『中国儒教寺院の儀礼』と云ふのを聽いてゐた。このCDは台南で行われた孔子の霊を迎える儀式が収録
されてゐるのだが、門外漢の私には矢張りちんぷんかんぷんであつた。かういふ音樂はその場に居て聽かなければ意味を成さない。
2004年01月11日(日) 編集
中山大障害
中山競馬場へ行き中山大障害を觀戰する。年初めなのか、隨分と人で賑はつてゐた。
馬が障碍を飛越した時はやはり見應へがある。自然と歡聲が沸き起こる。この氛圍氣は他のレースではなかなか味へない。たゞ、今囘は二頭落馬し、また一頭は競走中止になつた。かういふ辛い事も目の當たりにしなくてはいけない。
打ち始め
取り敢へず大障碍は外した。メインのアレキサンドライト・ステークスでは、バクシンヒーローの複勝(單勝だと百五十倍くらゐか)を買つてみた。直線あはやと思はせる走りに、聲をあげたが、ゴール前で差されて四着。
今年も前途多難だ。當たり馬券への道は險しい。
スリーエイト
中山競馬場の中華レストラン「スリーエイト」にて、塩ラーメン(六百五十圓)を食する。お勸めメニューと記されてゐたので從つてみた。たしかに美味しい。塩辛くないあつさりしたラーメンだつた。かういふのは毎日でも食べられさうだ。
2004年01月10日(土) 編集

■
職場の新年會にて、中華料理を食する。鼈鍋が出てきた。これは美味しい。コンソメに漢方藥をまぜたやうな、なんとも形容し難い味のスープだつたが體には良ささうだ。
しかし食べ過ぎ飮み過ぎになつて了ひ苦しい。
2004年01月04日(日) 編集

肥後のれん
肥後のれん(新宿本店)へ行く。ひごらーめん(六百五十圓)と高菜ごはん(二百圓)と味玉(百圓)を食する。
とても美味しい。好みの豚骨ラーメンだ。博多ラーメンとよく似てゐるが、違ふといへば微妙に違ふやうな。麺が極細麺ではなく普通の細麺だつたことと、のつてゐる具が異なるくらゐしか判らなかつた。
2004年01月03日(土) 編集
2004年01月01日(木) 和尚が二人 編集

明けましておめでたうございます。今年も御愛顧の程を。
■
一休宗純禪師の逸話。
ある年の元旦である。一休さんは墓場から髑髏を拾ってきて、それを竹竿の先に結びつけ、京の街をてくてく歩く。
「皆の衆、ご覧じろ。この髑髏の、ここんところに二つの穴がある。昔はここに目玉があった。したが、目玉は飛び出てしもうた。目が出た、目が出た、目出たいのう……」
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