私の表記法

はじめに

このウヱブサイト、または他のウヱブサアビスで私が用ひてゐる漢字や假名遣抔の表記に就いて記してゐます。實は、三十七の質問に答えるまで、自分がどのやうな原則で假名遣の表記を用ゐてゐるのかあまり細かく意識せず、さらにそれらをこのサイトでは記してゐないことに、改めて氣附きました。

なほ、項目は『国語改革を批判する』内の、丸谷才一「わたしの表記法について」[文献1] を參考にしました。

2014年に内容を革める。

漢字

  1. 原則
    漢字は大いに使用する。日本語は漢字假名交じり文に極まり候。常用漢字や、音訓表にもこだはらない。
  2. 字體・字形
    2009年から正字や略字に基づく字體・字形の不統一には、敢て拘泥しない方針をとる。はてなの茶碗2009年01月09日參照。
    気の向く儘、充字、俗字、畧字、正字、本字、古字を用ひる。
  3. 和語(やまとことば)
    和語は漢字で記したり、文章によつては、平假名を用ゐる。
  4. 人名、地名
    現在の表記(新字新假名)に合はせる。過去、明かに現在と異なる表記で記されてゐたことが分かるときのみ、表記を改めてゐます。

かなづかひ

  1. 原則
    無原則。みかけは歴史的假名遣ひとよばれてゐるものに近い。
    現代仮名遣いに從ふつもりはないが、かといって必ずしも歴史的假名遣ひには從つてゐない。

    あらむづかしの仮名遣ひやな。字儀に害あらずんばアヽまゝよ(蕪村)

  2. 拗音・促音
    大書きだつたり、小書きだったり、ときにカタカナだッたりとまちまち。片假名(外來語など)抔は、小書きのことが多い。
  3. 字音
    現代假名遣に從ふ。一部字音假名遣ひの讀みを、片假名でコンテンツ内の文章にあてゝゐます。
    補足
    1. 「嬉しさう」などの「さう(相)」、「花のやう」などの「やう(樣)」は、字音であるが、もはや大和ことばも同然と考へて、「さう」「やう」と書く。(「相似」はソウジ、「模様」はモヨウ。)
    2. チヂ、ツヅの清濁両音ある漢字の場合、ヂヅを認める。例。地獄(ヂゴク←ジゴク)、連中(レンヂユウ←レンジユウ)、僧都(ソウヅ←ソウズ)。

送り假名

  1. 原則
    音訓表にはこだはらない。

その他

  1. 外來語
    時折、こゝでしか遣はれてゐないやうな外來語の表記を用ゐてゐます。例へば、音引きの忌避を特徴とした表記
    • モーツアルト→モオツァルト
    • ベートーベン→ベエトオヴェン
    • ウェブ→ウヱブ
    • メール→メイル
    等々。贔屓の作家の影響だつたりします。非推奬。
  2. 記述記號
    讀點は「、」句點は「。」を使用。
    縱書きのブラウザに對應させる爲、讀點を使用することにします
    繰り返し記號
    漢字でよく使はれる「々」だけでなく、平假名の繰り返し記號「ゝ」「ゞ(濁點)」や、片假名の繰り返し記號「ヽ」「ヾ(濁點)」も好んで用ゐてゐます。

引用文獻

  1. 『国語改革を批判する』丸谷才一編著、p.436、中央公論社、1999。