古陶美術館の沿革



 鎌倉古陶美術館は、北鎌倉、円覚寺に隣接した緑豊かな地にあります。1997年開館。江戸時代の農家や民家3軒分を移築して1軒分にした美術館の外観は、北鎌倉らしさをたたえ、館内では古民家のゆったりした空間の中、鎌倉時代を中心に平安時代末期から室町時代までの中世の古陶を展示しています。中世古陶は、瓶や壷など実用陶器。素朴で、おおらかです。

 1997年、私財を投じてこの美術館を作った館長の長谷川正は、20年以上前誘われて作陶をはじめました。そのころから鎌倉の浜に出て鎌倉時代の陶器の破片を拾い、当時の技術や生活を想ううち、陶器に魅せられてしまったようです。六世尾形幹山(おがたけんざん)の娘、尾形幹女(おがたけんじょ)に出会い、民芸運動のメンバーたちの影響も受けたとか。
こつこつと買い集めた陶器がいつの間にやら200点以上。今でも館長はいい壺などが手に入ると、一緒にお風呂に入るほど。自ら「病人」と称します。

 水や酒を入れた瓶、経文を入れた壺、食事を盛った皿。その1点1点から中世の飾らぬ物語が聞こえてきます。館内には、素朴でおおらかな陶器たちと、それをいとおしむ館長のあたたかい思いがあふれています。


     
昭和46年 コレクション開始
昭和60〜64年 北鎌倉に窯と展示喫茶室のある民家移築。
昭和64年 陶芸館(美術館姉妹館)として開館
平成5〜9年 円覚寺並びに古民家移築。
平成9年 鎌倉古陶美術館として開設
現在もコレクションは続けられている。


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