◆今日のコラム◆
2005/05/09
「横文字」
よく、横文字が苦手だと言う人がいる。
仕事柄、僕はそうでもないが、気持ちは分からなくもない。
確かに、「湯豆腐」を「ボイルドトウフ」などと言われると、腹立たしくもなる。
しかし、ビジネスの世界においては、そうも言っていられない。
コンプライアンス, アウトソーシング, M&A, インキュベーション, ディスクロージャー,プレゼン, ユビキタス……。
こういう単語が、日本語のビジネス会話の中に平気な顔をして入ってくるのだから、もはや、日本語の新語が次々と生まれていると考えた方が良い。
しかし、これだけ横文字が溢れかえると、少しふざけてみたくもなってくる。
会議などで、自作の横文字をあたかも常識と言わんばかりに使ってみたら、きっと面白いと思う。
「この案件においては、ヴァリッドスペキュレーションに従って定義書が策定されてますので、仕様の作成は比較的スムーズに進むと思います。」
などと言うと、会議終了後に、きっとお偉方は「ヴァリッド」と「スペキュレーション」の意味を辞書で引くに違いない。「ヴァリッド」は「正当な」、「スペキュレーション」は「思索・推測」。一応、辞書には載っている単語だが、別に横文字として流通しているわけではない。けど、きっとお偉方は、どこかで使ってみる気満々になるだろう。
「これはね、ヴァリッドスペキュレーションちゅうやつでね…」
などと、したり顔で部下に言おうものなら、噴飯ものである。
あと、もっと陳腐な言葉を横文字として使ってみるのも面白いだろう。
例えば「ドラゴンアタック」という思いつきの言葉を、ビジネスの会話の中で、さり気なく当然のように使ってみるとか…。
「最近は、企業のドラゴンアタックも激しくなっていますので、我が社も…」
かなり面白いとは思うが、やめておいた方がいいだろう。
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