2004年12月25日 Sat. 　at ヒポポタマス 「若手ペーペーミュージシャン祭り」

- 曲目 - １．「I　Thank You」 ２．「エンターティナー」 ３．「White Christmas」

４度目のソロライブは、なんとクリスマス。
周囲に自虐的な日程だと苦言をもらいつつも、強行出場。
店に入った瞬間、思わず 「うお！」と声を上げてしまった。なぜなら、客席にあの超大御所ギタリスト、中川イサトさんがいらっしゃったからである。イサトさんといえば、フィンガーピッキングスタイルギターの日本における草分けであり、間違いなく、その道を志す者にとっては「神様」であり、北斗の拳でいえば「拳王様」なのだ！その大師匠が、なぜこの「若ペー」に！？ この事態を例えるならば、拳王様がカッサンドラ刑務所に慰問に来たようなものなのだ！（マニアックな例えですみません。)
そんなわけで、入店するや否や、僕は緊張してしまった・・・。イサトさんの前で、演奏するなんて！しかも、フィンガーピッキングで！そのプレッシャーに押し潰されるのを避けるため、入店直後に僕はギターを取り出し、無心にウォームアップのエクササイズに取り掛かった。雑念を払うのだ。無心にギターを弾くことで、僕は、少し落ち着くことに成功した。別に、無名の下手っぴぃ〜な僕なんぞに、最初からイサトさんが注意を向けることなどないのだ。自意識過剰になってはいけない。僕は、道端の雑草だ。誰の注目も浴びずに、ひっそりと力強く生えている雑草だ。誰がいようが、自分のやることにいささかの変わりもないのだ・・・・・・。よし、これで大丈夫だ。やれる。
そんな感じで、僕は自己暗示をかけたのだった。

今回の出演順は、5番目だった。ちょうど真ん中、なかなかの好打順だ。(←常にプラス思考)

さて、１曲目。自作の歌モノ曲 「I Thank You」。ゆったりしたバラードだ。この曲は前回の若ペーで最後にやろうとして、途中でタイムアウトになった曲なので、今回は一発目に持ってきた。自分の曲ながら、難しい。もう少し、伸びのある声で歌いたかった。ギターに関しては、60点ぐらい。致命的なミスはなかったものの、明らかに最初に指が震えたし、安定感に欠け、綱渡りのような演奏になってしまった気がする。それにしても、やはり、緊張した。いつもながら、ステージは別世界だ。しかし！ 後で聞いたのだが、どうも僕は、緊張しているように見えないらしい。いいことなのか、悪いことなのか・・・。うーむ。

次、２曲目は、インスト。スコット・ジョプリン作曲のスタンダード・ラグタイム、「エンターティナー」を弾く。実は、今回で一番難しい曲がコレ。3ヶ月以上も練習し、今月に入ってからは朝練までしたにも関わらず、本番前日でさえ、自信が持てない仕上がりだった。ベース音が細かく動き、ストレッチフレーズが多く、起伏の多いフィンガリング。しかし、僕にとって、このレベルの曲をソロで弾きこなすことは、超えねばならない壁なのだ。だからこそ、練習を積み、ライブでやることを決めた。本番の出来ばえは、50点ぐらい。はっきり言って、悔しい。まず、出だしでちょっとトチって、なんとか中盤までに立て直して、中盤のストレッチフレーズの続くあたりはまずまずで、終盤は一気に弾ききった。まだまだ、このレベルの曲で練習時のクォリティを出すには、経験も練習も不足していると思い知った。現在位置を知るための試金石となる曲だったわけだが、致命的なミスだけは免れたので、その点だけは自己評価しておきたい。

そして、２曲目の後に、長めのＭＣ。ネタ的には、ややウケというところか。少しコツを掴みかけたような気がするので、次回はもっと良いＭＣができると思う。

ラスト、３曲目は、インストで、「ホワイトクリスマス」。これは、去年のライブでもやったので、基本的なアレンジに変更はない。が、熟練度を上げて臨んだつもり。1コーラス目と２コーラス目で、同じ箇所でミストーンが出てしまったのが少々痛いところだが、それ以外はそこそこ上手く弾けたように思う。お客さんから、「良かった！また聴かして！」と言われたのは素直に嬉しかった。

今回は、全体としては65点ぐらい。ＭＣの時に、目線が下がっていたとの指摘を受け、素直に反省。確かに、喋るときの視線は大切だ。次回の課題として、肝に銘じることにした。っていうか、去年も別の人から同じことを言われたな・・・。進歩してねぇじゃねぇか！この点に限って言えば。これは由々しきことだ。と、改善を誓ったのだった。

それから、今回、何と言っても収穫だったのは、3番目に出演したダニエルさんとの出会いだ。いや、別に友達になれたわけじゃないけれど、押尾コータロー奏法を華麗に駆使する凄腕のダニエルさんの話が聞けたのは、とても貴重だ。東京生まれ福島育ちでハーフのダニエルさんは、長身で青い瞳のハンサムガイだ。あの顔立ちで普通に日本語が通じるので、少し不思議な感じがしたが、右手の爪の処理とか、ボディヒッティングに適したギターのセッティングなど、こちらが質問したことに、丁寧に答えてくれた。特に、ボディヒッティングの音を拾いやすいピエゾピックアップの特性や、取り付け位置については、ここ2年ぐらいの謎が解けた思いがした。

とにかく、凄いライブだった。今回は、全体的に出演者のレベルが高かった。その中で、特に目立ちたいと思っているわけじゃないけれども、しっかり自分のやってきたことを出し切れるようになりたいとは思っているし、クォリティを追求したいとも思っている。その点、周囲のレベルが高いと、刺激になるし、学べる点も多い。正直、今回、決定的に技術的な要素で、学べる点が多かったのは、ダニエルさんと、中川イサトさんの演奏だった。ま、一流の演奏から学べる点が多いのは当然と言えば当然なのだが・・・。（ダニエルさんのＨＰはこちら）

それから強く思ったのは、店長の心意気の素晴らしさだ。アマチュアからプロ中のプロまでが一堂に会して出演できるイベントなど、そうあるものではない。この機会を与えてくださった店長と、お客兼カメラマンとして協力してくださったＫ氏に、心から感謝している。


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