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勝手に名曲紹介


岡村靖幸
聖書(バイブル) 〜 爆裂!超絶エロナルシスの狂宴!〜






ナルシストという言葉は、岡村ちゃんのために存在する…。
と考えても、何の違和感もない。この曲に触れてしまったのなら!
さっそく、この名曲を紹介しよう。

この曲の冒頭には、想像を絶する長ゼリフがある。
その長さもさることながら、その内容は世の野郎どもに鉄槌を下し、全ての女性の股を濡らさんばかりの、神をも恐れぬリビドーに満ち溢れている。

まずは、この一節。

"ねえ、君は僕の事好きだって言うけどさ どうして?"

もうこの時点ですでに、生理的に受け付けなくなっている男性諸君もいることだろう。
僕だって、これアタマから聴いた時は、うわ〜!って思ったもん。
しかし、これぐらいで驚いていてはいけない。


次は、こうだ。


"背が高いから? 曲を作るから? 歌を歌うから? 踊りが上手だから?"





ええっ!?

である。

普通、そう考えるか!?

いくら、長身で、シンガーソングライターダンサーだからって、
そこまで自意識過剰になっていいのだろうか?
と、僕を含めた凡庸な男子達なら思ってしまう。
しかし、岡村ちゃんは、そんな批判など欺瞞に過ぎないと看破するかのごとく、次の言葉で一蹴する。


"やめろ!僕は君の彼氏になりたいだけなんだ"



何者の事情をも意に介さない、素ッ晴らしいセリフである。
何なんだ、この常識を超越したナルシズムは!
相手の答えを聞きもせず、有無を言わさず「やめろ!」って!
そう、岡村ちゃんは「彼氏になりたいだけ」なのである。
と、なぜか無理矢理に納得させられてしまうではないか。
この辺から、聴いている方は、妙な理屈に惑わされそうになる。

そしてここで、「スウゥ〜ッ、ハアァ〜」という変態チックな吐息が入る。
やめておけばいいものを!と言いたくなるが、岡村ちゃんは、上質の漆工芸品を作るかのごとく、
恥ずかしいセリフの上に恥ずかしいセリフを上塗りし、さらにもっと恥ずかしいセリフを連発する。


"君は僕の胸に輝くピカピカのメダル
"そして そしてこの僕は 君の最新型のベッド 最新型のベッドだよ"




なんだか知らんが、とにかくエロい!
「最新型のベッドだよ」と念を押すように繰り返すところが、もう、なんというか、凄すぎる。
そう、岡村ちゃん自身が、ベッドなのだ!






そして、次の爆裂エロセリフ。













"今夜は 君のヒップが何でできているか パパやママやみんなに教えてあげるんだ"



























ブブーッ!

鼻血が出そうである。
僕はこれを初めて聴いたとき、椅子ごとひっくり返りそうになった。


な、何でできているか!

パパやママやみんなに!!!



そ、そんなこと……と、誰もがウブな少女のように赤面してしまうセリフである。

さらに、岡村ちゃんの暴走は続く。



"ねえ たとえ君に彼氏がいたってかまうもんか"


すでに、そういう問題ではなくなっているような気がする。
が、岡村ちゃんには、もう障害など存在しないのだろう。


"僕は あいつには絶対できないキスのやり方を知ってるからね"


ここまで来ると、もはや、つっこむ気にもなれない。
その卓越したオスの本能を見せつけられて、
「そ、そうなのか、凄い…。」
と思うしかないのである。

で、最後にこうシメる。


"今 見せてあげるよ"



そして、間髪を入れず、岡村ちゃんが全裸で飛び出してきそうな感じのハジケたフィルインとともに、岡村ちゃんがホオゥーッ!と叫び、曲が始まる。
















ホオゥーーーッ!













と、満を持して曲が始まるわけだが、この曲が実に妖しげである。
イントロからしてもう、腰が砕けそうなエロさが炸裂している。
変態的エロティシズムの世界へいざなうようなシンセサイザーの和音を背景に、ドギツく腰を振るようなベースのメロディが刻み、イヤラシイとしか言いようのないギターカッティングが絡みついてくる。

そして、歌いだしがこれ。

"Baby なんか強引ですが今 Teenagerのあなたが"

さすがに、岡村ちゃんは自分が「強引だ」と分かっているらしい。



しかし、岡村ちゃんは敢えて、より強引になっていく。





"なんで 35の中年と恋してる。
学校じゃ もちきりだよ そのことで"





ほっといたれよ!

と思わず言いたくなるが、よく考えると、Teenagerの学生が35歳と交際するのは、不健全だろう。
いや、年の離れた純愛もあるだろう。いやまて、これは明らかにロリコンでは?
………と、現代ではちょっと微妙な問題なので、ここは不問としておこう。

"ダスティン・ホフマンの様にさらいたい 囚われた あなたを
だって 奥さんもいる 妻帯者
このままじゃ 僕は ちぎれそう"


ダスティン・ホフマンの映画「卒業」のラストシーンを引用して、「囚われた」あなたをさらいたいんだと。
そう、そして相手の男は妻帯者、つまり……不倫じゃねぇか!
つまり、「女子高生と35歳中年の不倫=援助交際 」という図式が、やや飛躍を抱えつつも岡村ちゃんの頭の中で出来上がっているんだと思う。

"きっと本当の恋じゃない 汚れてる"

なるほど、確かに汚れてそうな雰囲気はある。ちょっと、純愛とは遠そうだ。
まあ、それをわざわざ指摘してやるのは図々しいと思うが…。
しかし、次のフレーズで、そんな図々しさなど突き抜けてしまう。

"僕の方がいいじゃない"

結局、そうなんかい!
つまり、35の中年なんかやめて自分にしろと。
そんで、ヒップが何でできているか、皆に教えてやるつもりなんだろう!
しかも、「僕の方がいい」ことの根拠が素ッ晴らしい。

"同級生だし バスケット部だし ("部"に、もの凄いアクセント)
実際青春してるし 背が179!"


凄い。
言葉の意味(というかセンス)はよく分からんが、とにかく凄い自信だ。
しかし、ここまで誇らしげに言い切る岡村ちゃんには頭が下がる。
同級生、バスケ部、青春、身長179cm ……。
そう、たしかに、35歳の中年男に対して、全て勝っている要素なのである。
だから、自分とつき合えと。
ムチャクチャなようで、どこか筋が通っている気もしてしまう。

そして、サビみたいなセクション。

"You gotta change your man now
Oh, Baby, you gotta change your mad love
Baby, you gotta change your man now
Oh, Baby, you gotta change your mad love

もう Baby なかば降参で もう少しさ"

男を変えろ、歪んだ愛を変えろ、って感じだろうか。
このセクションで特筆すべきは、そのエロイ歌い方である。
特に、2行目と4行目の末尾の「love」の「ヴ」を強調する歌い方が、エロい。





そして2コーラス目の頭で、この曲最大の謎フレーズが登場する。



"Crazy×12-3=me
つらいんだけど 愚かだ
「誰好きになろうと いいじゃない 私の勝手よ 下らない」"




「Crazy×12-3=me」とはいかに!?



分からん!全くもって、分からん!



が、分からんなりに考えてみよう。
まず、この謎を解く鍵は、数字の意味にあるのではと、着眼点を仮定してみよう。
「×12」から連想されるのは、「12ヶ月」だ。つまり、「×12」は、「1年中」という意味だとしておく。
そして、「-3」だから、「×12-3」は、「1年の内の9ヶ月」となる。
ということは、「Crazy×12-3」は、「1年の内9ヶ月はCrazy」という意味になる。
だから、「Crazy×12-3=me」は、「僕は1年の内9ヶ月はCrazyなんだ」という意味になる。
で、次の「つらいんだけど 愚かだ」というフレーズとどうつながるのかについて考えてみる。
「つらい」のは、「9ヶ月もCrazy」だから。なぜ9ヶ月もCrazyなのかというと、おそらく、その女の子が35歳中年男とつき合っている期間が9ヶ月で、その間、岡村ちゃんは、狂おしいまでの感情に身悶えていたから。で、その子のために9ヶ月間もCrazyになって苦しんでいる自分が、「愚かだ」と。
これで、3行目の女の子のセリフにも意味がつながると思うのだが、どうだろう?
(あくまで、個人的な解釈です。)




そして、次のフレーズ。


"そうさ Baby なんか自由さ そんなにまで
トラブル・ゲーム 好きならば
ときめいたりしない 愛なんて
強か過ぎるよ その瞳"



打算的な恋愛をする女の子を批判しているわけだが、ここで思うのは、実際のところどうなのかということである。
本当に女の子は「汚れた恋」をしているのか?
勝手に岡村ちゃんが決めつけているだけなのでは?
いやまあ、そんなことを言っても野暮なので、そういうことにしておこう。


その後、1コーラス目と同じBメロとサビのリフレインが続き、喘ぎ声混じりの激烈妖しげインストセクションに突入する。
特に、5:40ぐらいでベースラインが変わるあたりからが凄い。
喘ぎ声をバックに、「ブー!ブーシャカラカ、ブーシャカラカ、ブー!」という野郎コーラスが入り、エロティックでビザールなホーンセクション、不思議なシンセサイザー、絡みつくようなギターカッティングが、渾然一体となって、もつれあいながら、フェイドアウトしていく…。



狂乱の宴は、まだ始まったばかりである。





END


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