◆ MinorEssay ◆


「プールに来るおっさんのこと」






ボクはよくプールに行く。

一応、週に2回行くことにしている。

プールで何をしているかというと、

餅のロン、泳ぐのである。



プールに通い初めてから、早いもので、

もう、丸2年、つまり3年目である。

屋内プールなので、季節によるオン・オフもなく、

訪れる人々は、皆、思い思いのスタイルで過ごして帰る。

で、このプールに来る人たち、実にいろいろなタイプが存在する。

ま、大きく分けると、



うら若き女性
オバハン  
若い男  
おっさん  
高齢者   



という感じである。

オバハンの生態なんかも、結構面白いのだが、

今回は、あえて「おっさん」にスポットを当てることにする。



ボクが行くプールに来るおっさん達は、ほとんどが定年前後という感じの年齢で、

大きく分けると2タイプある。



まず一つは、筋肉ムキムキでハードに泳ぎまくるおっさんである。

このタイプのおっさん達は、若い頃からずっと鍛えてますという感じで、

非常にストイックなおっさん達である。

便宜上、ハードタイプと呼ぶことにする。(コンタクトレンズみたいだが)



もう一つは、ビール腹で短足、ぶよぶよ体形のおっさんである。

人数の比率で言えば、このタイプのおっさん達が圧倒的に多く、

人間ドックで脂肪肝とか重度肥満などと診断され、

医者にプールにでも行きなさいと言われて来たような感じである。

ま、実際は、言われる前に危機感を持って来ているおっさんが多いのかもしれない。

便宜上、ソフトタイプと呼ぶことにする。(どのへんがソフトかは聞かないでね)



まず、ハードタイプのおっさんであるが、

彼らは、時折、バタフライで波風を立てることはあるものの、

大抵は、ひたすら同じところを行ったり来たりしているだけなので、

ほぼ、人畜無害と言って差し支えない。



問題は、ソフトタイプのおっさんである。

彼らは、100%ダイエット目的で来ているはずなのだが、

行動が実に中途半端なのである。

別におっさんに限らず、プールに来てすることと言えば、

「水泳」か「水中ウォーキング」である。

通常、ボクを含めた水泳派の人達は、同じラインを一定のリズムで泳ぐ。

また、水中ウォーキング派の人達は、同じラインを一定のリズムで歩く。

ところが、ソフトタイプのおっさん達は、泳いだり歩いたりする。

泳いでいて、真ん中辺りでいきなり歩き出したりするのである。

後ろで泳いでいた者は、突然進路を塞がれるわけで、

横に避けて追い抜かねばならない。

とはいえ、いきなり歩き出す程度なら、まだましな方である。

酷いおっさんになると、斜めに歩き出したりするのである。

隣のラインで泳いでいる者は、いきなりヌッとおっさんが立ち塞がるので、

「何だ、チミは!」と文句を言いたくなる。

この間なんぞは、3コース分ぐらい斜めにトボトボ歩いてくるおっさんのせいで、

非常に難儀な思いをしたものである。

何せ、そうなってくると、常におっさんの位置を意識しながら泳がねばならない。

「今は、あの辺りにいるから、次のターンでぶつかることはないな。」

といった具合にである。

しかも、そのおっさんの場合、あろうことか、体臭が強烈だったからたまらない。

半径5m以内に接近すると、酸っぱい匂いが鼻を突くのである。








おえっ!







おっ、おえぇっ!











ほとんど犯罪である。

一体、こいつは何をしに来ているんだ……。





……ハッ! 風呂代わりか!





そう思った途端、ボクはどうにもそのおっさんが許せなくなってきた。

そんなふざけたおっさんと揉めても時間の無駄なので、帰ろうと思い、

シャワールームへ向かい、シャワーを浴びて、更衣室に行くと、

そのおっさんが、鼻歌を歌いながらフルチンで歩いている。






やっぱり風呂代わりやんけ!






まあ、別に更衣室でフルチンで歩いていけないわけではないのだが、

それまでの流れから言って、無性に腹が立ったのである。

特に、他人に迷惑を掛けていたことに気づくどころか、

気分良さそうに鼻歌でフルチンというのが、もう、何と言うか、

「神様ヘルプ!」で「プールサイドでウォウ・ウォウ・ウォウ」だったのである。



とにかく、悪質なソフトタイプのおっさんには要注意である。





END



執筆: 2003/04/30

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