◆今日のコラム◆

2005/05/29

「開いている人、閉じている人」


いろんな人と関わっていると、その人の「開き具合」が気になることがある。
それは、心の窓とでも言おうか、精神的な視野の開き具合である。
例えば、18歳当時の僕は、極端な「閉じている人」だった。
自分が大事に思っている事柄以外は、どうでもよいと感じてしまい、現実にもそういう振る舞いをしてしまっていた。
僕の頭の中は、音楽が60%、女性が30%、勉強が8%…ぐらいの感じだったように思う。
青少年期は、これでもよいのかもしれない。
若い一時期に、何かに夢中になることは、或る意味貴重とも言える。
多少、バランスを欠いていたとしても。

だが、大人になっても「閉じたままの人」は意外に多い。
生活が、仕事とパチンコとテレビだけで構成されている人だって、少なくはない。
かと言って、無限に「開いている人」なんて、なかなかいるものではない。
要は、「開き具合」なのである。
開くということは、受容性と刷新性の幅を広げるということである。
人の気持ちを理解する、嗜好の違いを受け容れる、新しい分野に目を向ける、試行錯誤をして自分を高めようとする……。
これらのことは、どれも無限にできることではないし、最高の地点に達している人もいないと思う。
とはいえ、皆、誰しもどこかの地点には到達していて、開閉どちらかの方向に向かうか、停滞しているかしている。

だから、人と話していて、「この人は、かなり開いているな」とか「やや閉じ気味だな」などと感じることがある。
閉じた世界で生きれば、安心に浸れるかもしれない。でも、自分を取り巻く諸条件が不利に働き出すと、それは倦怠や絶望に変わり、そこから抜け出せなくなる。
かと言って、開きすぎた世界で生きると、目移りが激しいあまり、周囲を振り回すだけでなく、自分自身をもコントロールできなくなる。
意固地で頑固なのは困りものだが、手を広げすぎてどっちつかずというのも困りもの…。

要は、開閉のバランスが大切というわけである。
僕は個人的に、7:3ぐらいの開閉バランスが最適だと思っているのだが、あなたの最適開閉バランスはどのあたりだろうか。

それを考えてみるのも面白いかもしれない。
一考の価値は保証しないけれども。




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