◆今日のコラム◆

2005/04/21

「はっさく・ネーブル・なつみかん」


はっさくとネーブルとなつみかんの区別がつかない。
というか、あの手のデカイ柑橘類に自信がない。
多分、並べて見比べればそれぞれ全然違うのだろうが、一つだけポンと机の上にあったら、絶対に悩む。
果たして、これはネーブルか?
いや、はっさくか?
はたまた、なつみかんか?
と。

未だにどれがどれか分からんが、この手の柑橘類は、薄皮を剥いて食べるタイプのやつと、薄皮ごと食べられるタイプのやつとがある。
昨日のことだが、一人、自宅で飯を食った後、テーブルの上に母親が置いたのであろう一つのデカイ柑橘類を見つけた。ちょうどまだ食い足りなかったし、ひとつ食ってみるか…と思い、ナイフで硬い外皮を剥いた。
そこまではいい。
次に、半透明の薄皮を纏ったブツを前に、一人腕組みして悩むこと数分。
薄皮ごと食うべきか?
横着せずに薄皮を剥いて食うべきか?
……薄皮を剥くと、おそらく果汁で手が汚れる。
指にちょっと逆ムケがあるので、沁みて痛いに違いない。
それに何より、面倒くさい。

というわけで、薄皮ごと食べる決心をし、一片を口に放り込んだ。
ふむ、少し硬い気もするが、よく噛めば食べられなくはない。
そう思って、もう一片を口に放り込んだのだが、こいつが強烈に苦かった。
唸りたくなるほど苦いのである。
しかし、もう後には戻れない。
一度、男がこれと決めた以上、妥協して薄皮を剥くなど武士の恥。
ふん、苦くなどないわい。これは甘〜いみかんだ。
と、苦くないフリをしながら、丸々一個を完食したのだった。

誰もみていないのに、苦くないフリなどする必要はどこにもないと、今なら冷静に考えられるのだが、その時はなぜかムキになってしまった。

後で聞いたところ、あれははっさくだったらしい。
はっさくは、薄皮を剥いて食うべし。




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