◆今日のコラム◆
2005/05/07
「ジャズ」
ジャズはカッコイイ。
実際のジャズマンについてはともかく、ジャズをやっていると言うと、それだけで何だか凄い・大人・オシャレ・カッコイイというイメージがつくような気がする。
「ジャズの視点から言うと…」とか「ジャズをやる者として言うと…」とか、接頭辞をつけると、どんな意見でもそれらしく聴こえるような気がする。
どんな形であれ、その人の属性にジャズが加わると、途端に大人でハイソなイメージが醸されてくる。
まあ、僕はジャズマンじゃないし、ジャズの何たるかはよく知らないのだが、ジャズに対する何がしかの憧れは持ち続けている。
ジャズと言っても、いろいろある。
とにかく、デタラメさというか自由を追求するフリージャズもあれば、古典的な名曲をきちんとやるスタンダードジャズもあるし、よく分からんがコンテンポラリージャズとかいうのもあるし、スムースジャズというのもある。
それぞれに魅力があって、何か分からんながらもカッコイイなと思う。
ジャズのライブを見に行くと、それぞれの楽器にソロを弾くコーナーがあって、面白い。ドラムソロなんて、場合によっては「まだやるのかよ」と思うほど長いこともある。他の楽器の人も「まただよ、しょうのない奴だな」と苦笑モードで見ていたりして、微笑ましかったりもする。
で、かなりエキサイティングで凄いソロだったりすると、どこからともなく聴衆から「イェッ!」という声が挙がったりする。この「イェッ!」のタイミングが、結構絶妙だったりして、カッコイイ。
ドラムソロが終わって、他の楽器が再び一斉に鳴り始める瞬間も、カッコイイ。
どうやったって、他のジャンルではあのカッコよさは出ない気がする。
アルトやテナーのサックスが、眉間に皺を寄せて渋く吹く姿もカッコイイし、身をかがめて一心に弾きまくるピアノもカッコイイ。
そして、どこかストイックな風格を纏ったウッドベースも、控え目にコードの肉付けをするギターもシビレル。
下手でも、それらしい姿でいるだけでカッコイイなと思う。
いや、もちろん上手いに越したことはないのだけれど、とにかく僕はその雰囲気に憧れてしまう。
「ジャジー」という言葉がある。
ジャズっぽい、ジャズ風の、といった意味である。
「純然たるジャズとは違うけど、ジャズっぽい」という都合のよい言葉である。
だから、僕もジャジーな曲を作ることがある。
でも、何をもってジャジーというのかは分からない。
理論もへったくれもなく、とりあえず小難しいコードを並べてみるのが、僕なりのジャジーな曲作りの手法である。
だから、他人が聴いてジャジーと思うかどうかは分からない。
多分、ジャジーと思ってくれないような気がする。
やはり、僕にとって、ジャズは永遠の憧れなのかもしれない。
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