◆今日のコラム◆

2005/05/10

「フナムシとダンゴムシ」

フナムシが好きだという人は、あまりいないと思う。
あの素早い身のこなしと気色悪さは、ゴキブリのそれとそっくりである。
だから、フナムシをゴキブリの仲間だと思っている人もいるが、全然違う。
ゴキブリは昆虫だが、フナムシは甲殻類ワラジムシ目フナムシ科という分類なので、同じワラジムシ目のダンゴムシの方が、どちらかというと近い生物である。

フナムシは大抵の人に嫌われるし、僕もかなり嫌いなのだが、一方、ダンゴムシは子供達のアイドルである。

いつだったかどこだったか、幼稚園児へのアンケートで、「好きな虫第1位はダンゴムシ」という結果が出たことがある。
カブトムシでもなく、チョウでもトンボでもなく、ダンゴムシ。
力が強いわけでもなく、綺麗な色や模様があるわけでもなく、希少価値があるわけでもなく、薄暗い石の下などにひっそりと暮らす、地味極まりないダンゴムシを好むとは…。
なんて、渋いチョイスなのだろう。
或る意味、ワビサビの境地すら感じさせる。

それほどまでに子供の心を捕えるダンゴムシの魅力とは何なのだろう。
おそらく「つつくと丸まる」という性質が、子供にはたまらんのだと思う。
その証拠に、同じワラジムシ目の「ワラジムシ」は、つついても丸まらないので、「便所ムシ」と言われ、忌み嫌われている。まあ、ワラジムシはダンゴムシよりも湿気を好み、実際に便所に住み着いたりもするのだが…。

ということは、「つつくと丸まる」性質を持つ玩具を作れば、子供に大ウケするのではないだろうか。
世界に誇る日本のロボット工学を駆使して「ダンゴムシロボ」を作れば、大ヒットすること間違いなしだと思う。

間違っても、フナムシロボや便所ムシロボを作ってはいけない。




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