◆今日のコラム◆

2005/05/25

「軍手」


ギター弾きでありながら、僕の手指は華奢である。
その証拠に、よく指の筋を痛めたりする。
二十歳前後の頃は、よく力仕事のアルバイトをした。
資材運搬、配送助手、引越し屋、など、手を酷使するものが多かった。
重い荷物を持つときは、腕よりも手指の疲労に悩まされたものである。

しかし、その手指の疲労を助けてくれたのが、軍手だった。
軍手をはめると、なぜか手指に力がみなぎってくる。
手がごつくなった気がして、どんな物でも軽く持てる気がした。
軍手を装着した瞬間から、格段にパワーアップするのである。
それからは、妙に動きも俊敏になり、頭の回転まで良くなり、仕事の効率は2倍増しぐらいになった。

そして、いつしか、バイト仲間の間ではこう言われるようになった。

「CAPOが軍手をはめると、スーパーサイヤ人になる。」

それほど、僕にとっての軍手は、画期的なアイテムだった。
今の仕事に生かせないものかと思うが、軍手をはめてキーボードを叩くのはマイナスにしかならないし、単純な暗示が効果を発揮するのも、今となっては難しい…。

微妙に、つまらない大人になってしまった気がする。








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