マイナーエッセイ



「21世紀のドラえもん」





 

とうとう来てしまった。


21世紀がである。


思えば、幼い頃のボクらにとって、


21世紀なんてもう、夢の未来だった。


幼少のボクが夢見ていた21世紀の未来予想図は、


海底都市、地下都市、スペースコロニー(宇宙植民都市)、


海抜2000mの高層ビル、車が空を飛び、月まで電車で行けて、


天気予報は天気予定に変わり、平均寿命が200歳、


10万馬力のロボット、モビルスーツ、


みたいなSF的なものだった。


今、実現しているものなど何一つないではないか。


まあ、当時のボクの脳ミソは漫画とアニメでできていたから、


突拍子もない予想ばかりだったのだが。


そういえば、幼い頃のボクにとって、


未来と聞いて、イメージする漫画やアニメは、


「ドラえもん」「ガンダム」「マクロス」「銀河鉄道999」


「鉄腕アトム」「未来少年コナン」「宇宙戦艦ヤマト」


といったあたりだった。


でも、その筆頭はいつも「ドラえもん」だった。


 


ドラえもんは、22世紀のネコ型ロボット。


のび太をまともな大人に育てるために、


タイムマシーンで、20世紀にやって来た……。


 


20世紀最後の大晦日の夜、卒論を書きながら、


ボクは何気なく、ふとそんなことを考え始め、


やがてあることが気になってしようがなくなったのである。


 


のび太の21世紀はどんなものだろう?


あるいは、21世紀のドラえもんはどんなものだろう?


21世紀ともなれば、のび太も当然大人になって、


しずかちゃんと結婚して……。


んぬ?


しずかちゃんと結婚!?


ドラえもんの居場所がなくなるではないか。


ドラえもんは、のび太をまともな大人に育てるために、


22世紀から20世紀へやって来たのである。


「のび太が大人になって、しずかちゃんと結婚」


となれば、もう、のび太は自立したも同然である。


つまり、ドラえもんの存在意義が危うくなるのである。


とはいえ、その場に及んでも、のび太とドラえもんは、


熱い友情の絆で結ばれていることだろう。


なら、しずかちゃんは、それが気に入らないはずである。


「のび太さんは、私を一番に思ってくれてなきゃ、イヤ。」


と思っている新妻しずかちゃんは、


のび太とドラえもんの仲が良過ぎるのが気に食わない。


「私とドラちゃんと、どっちを取るの?」


と、のび太に選択を迫るに違いない。


 


どっちを取るのだろう。


ドラえもんは、のび太にとって長年の親友であると同時に、


物欲を満たしてくれる素晴らしい存在でもある。


しずかちゃんは、多分、気立てがよくキレイでしっかり者、


申し分のない大人の女性に成長しているはずである。


「カネをとるか、愛をとるか。」


一度は悩んでみたいテーマである。


しかし正直なところ、この問題は難しい。


ドラえもんを選べば、離婚問題にまで発展しかねない。


離婚に至らずとも、夫婦関係が冷めていった結果、


しずかちゃんがのび太に隠れて、出来杉と不倫!


ちゅよなことになるかもしれない。


しずかちゃんを選べば、ドラえもんの運命はどうなるであろう。


のび太に捨てられて、屈辱のあまり22世紀に帰る気にもなれず、


行き場も立場もなくなった失意のドラえもんは、


夜の繁華街をふらふらと彷徨い歩き、路地裏で恐喝に遭い、


4次元ポケットも奪われて、しかたなく代々木公園で夜を明かし、


路上生活を送り続けて身も心もボロボロになったある夜、


風吹きすさぶレインボーブリッジの欄干から漆黒の東京湾へ……。


 


うきゃー!


ぶるぶるっ。


考えただけでも恐ろしい。


明るい未来はどこへいったのか。


ホンワカパッパ〜♪、ホンワカパッパ〜♪
(無理矢理明るくしようとしている。)


 


ごほん。


そんなことを考えているから、


卒論が年内に仕上がらないのである。


と、ともあれ、21世紀は何かとタイヘンな時代のようである。


 


 

 

End

 

執筆: 2001/01/07

 

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